163 三人とも合格
太田和音です。
2月になり、私立高校の合格発表が行われました。
僕と同じ私立桃花高校を目指していた朝倉良太が合格しました。
そして、近所に住む幼馴染みの女の子、藤田風花も桃花女子高校に合格します。
そのニュースは自宅にいる時に、風花が家にやってきて教えてくれました。
風花の来訪はアポなしだったので、ものすごく慌てます。
だって、僕は昨年10月から家では女装して過ごしているんです。
女性としての生活に慣れるために、まずは自宅内では女性になりきっています。
あと、家族で遠くに外出するときも女性姿です。
風花は僕がLGBTって知ってますけど、スカート姿を見たら、さすがに面食らうでしょう。
下手するとからかわれてしまいます。
だいぶ、女性っぽい着こなしや髪型の作り方を覚えてきたのですが、学校行くときは男子なので、
やはり中途半端な感じがありますしね。
家にいた母に応対を頼み、急いで男子姿に着替えることにしました。
「あら、風花ちゃんじゃない!
久しぶり。和音のこと、本人から聴いてるよね?
大変なことになっちゃったけど、理解してくれてるんでしょ?
申し訳ないけど、これからも、よろしくね。」
「おばさん、ご無沙汰してます。
確かに、和音君のこと、ちょっとびっくりしましたけど、なるほどって思いました。
小学校の時から、女の子っぽかったし、中学3年間も可愛い男の子でしたから。
女の子になるのは自然な感じがします。
これからは女の子同士の友だちになりますね。」
「うわー、そう言ってもらうと助かる!
やっぱり同い年の女友達必要だもん。
私だとやっぱり世代が違うから、若い子のセンスとかわからないし。
あ、ごめんなさい。
さ、上がって上がって!」
着替えが終わった僕はリビングに入って、声をかけます。
「いらっしゃい!風花。
急にウチに来たってことは、もしかして試験結果?
今日だったよね!」
「当たり!
見事桃花女子高校に合格したよ!
褒めて褒めて!」
「やったね。おめでとう!
これで同じ学校法人の高校ってことで仲間だね。
しかも同じ演劇部だから、いろいろ一緒の活動もあるかも。よろしく!」
「あら〜、風花ちゃんは桃花女子なんだ。
しかも演劇部なの?和音といっしょじゃない。
おめでとう!
和音と縁があるわね。
和音がちゃんと女の子っぽくなれるように指導してね。」
「任せてください!
私も、一応、15年ちょっと女の子やってるので和音にいろいろ教えるネタあります。
和音が変な女子にならないように教育します。
それから、和音と一緒に髪の毛を伸ばすのも楽しみなんですよね。
一緒にロングにしようって約束したんです。」
「そっか。テニスやめたから風花ちゃんも伸ばしてるのね。
一緒に美容室に行くのもいいわね。」
「お任せください。
双子みたいに同じ髪型にしちゃうかもです。
美人女子高生二人組を目指します。」
「ふふふ、それは楽しみ。
ウチの和音は私の娘だから、美人になるわよー。」
風花、ノリがいいなぁ。
お母さんもお母さんだ。軽口たたいてるなー。
そんなことを感じてると、風花は僕の方に向いて、僕が気にしてたことを教えてくれた。
「朝倉君も合格したよ。テニス部の顧問の先生に報告した時に会ったんだ。
和音、良かったね!
これで、朝倉君と3年間、一緒の学校じゃない。
学校で朝倉君に声かけてあげて。」
「そうだね。
朝倉君と同じ学校かー。
うん、朝倉君には前に声かけてもらったから、こんどは僕から声をかけるよ。」
そこで、お母さんが余計な事を言います。
「朝倉君?もしかしてイケメン?家に呼んで来なさいよ。」
お母さんの軽さには参ってしまいます。
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朝倉良太です。
合格発表の翌日、学校で休み時間にくつろいでいると、廊下側に座っている女子生徒が、僕に声をかけてきた。
「朝倉君、他のクラスの男の子が呼びに来てる。
なんか、ちっちゃくて、女の子みたいに可愛い男子。
最初、1年生かと思った。
太田君っていうみたい。」
「おお、太田か。ありがとう。」
廊下にでると太田が待っていた。
久しぶりに目の前で見ると、確かに可愛い。
前に話をした時よりも可愛くなっているように感じた。
髪の毛も伸びている。
制服じゃなければ女の子に見えちゃうかもしれない。
俺たちの年は第二次性徴期だから、時間の経過とともに男っぽくなるのに、変なやつ。
「朝倉君、合格おめでとう。」
「おお、受かったよ。これで、ほっとしたよ。ウチのクラスで、桃花高校に行くやついないから、
太田が一緒の学校でよかった。
そうだ、一緒に通学しようぜ。
乗る駅一緒だからな。」
「え!そ、そうだね。でも・・・。」
「でも・・・なんだ?なんか不都合あるか?」
「うーん、
あのさ、入学前に説明しておきたいことあるんだ。
入学前に一度ウチにきてくれないかな?」
「えっ?何だろう?別にいいけど・・・。」
俺は、そこで、太田と連絡先を交換。3月に太田の家に行くことを約束した。
何だかわからないよ。
「あ、そうだ。俺、高校に入ったら演劇部にはいるって決めてる。
太田はどうするんだ?」
俺は、太田が演劇部の女役になることを知っていながら、わざと知らないふりをして、聴いたみた。
「えっ、嘘!
テニス部じゃないの?
テニス続けるんだとばかり思ってた。
身長が高いし、スポーツやらないともったいないよ。
それに、演劇部はスカウト主体だって聞いているよ。」
「身長が高いとスポーツをやった方が得って誰が決めたんだ?
身長が高いと芝居で有利なこともあるだろ?
全国大会優勝の演劇部にチャレンジしてみたいんだ。
スカウトの件は知ってるけど、そこはコネがあって何とかなりそうなんだ。」
「そ、そうなの?
実は、僕は・・・」
その時、次の授業が始まる予鈴がなってしまった。
まあ、太田の答えはわかっているので、俺は答えを急かさなかった。
「詳しい話は、3月に太田の家に行ったときに、聴くよ。
じゃ、これからよろしくな。」
「う、うん、よろしく。」
やや顔を赤らめて話す太田は純情な女子みたいだった。
女役、似合いそうだなと俺は思った。
いつも、「だんひめ」を読んでいただきありがとうございます。だんだん、演劇部や、女性化をめざる男の子のお話より、高校生の恋愛模様を書くのが楽しくなってきました。でも、エピソードを作るのが大変。何とか200話まで持っていこうと思っていますが、ネタが枯渇しそうです。でも、ない頭を絞って、高校生のドキドキ恋物語を書いていこうと思います。応援をよろしくお願いします。




