160 ソワソワしだす1年生
パーティー会場で、呆然とした1年生が4人いた。
まずは、男子校の2人、落合友樹と児玉勝利だ。
友利と新川が何となく上手く行きそうだとは思っていたけど、二人が交際するのはまだまだだと思ってた。
ラブコメみたいに、お互いにすれ違って、なかなかくっつかない。そこをからかうのが楽しみだと思っていたのに、こんな風に急展開するとは思わなかった。
友利が羨ましくなる二人である。
「うーん、まさかこんなに早く友利と新川さんが付き合うことになるとは思ってなかった。
意外な展開だ。
こうなったら、児玉、俺たちも女子校の女の子と付き合えるようにがんばろうぜ。
実は・・・俺は友理奈ちゃんを狙っている。
俺の好みでおっぱい大きいし、癒し系で、かつ中学の時に生徒会長だっただけあって、何となく懐が深そうだ。うーん、たまらない。
児玉はどうだ?俺と同じで巨乳好きだろ?
ただし、友理奈ちゃんは譲れないからな。
同じ巨乳で、児玉と同じ格闘少女のあいくちゃんがいいんじゃないか?
ちょっとギャル風だけど、可愛いじゃないか?」
「篠原さんを気に入ったのか?
いいんじゃない?俺は邪魔しないよ。
うーん、佐々木さんかあ?
どーも、空手少女っていうのが引っかかるんだよなあ。
顔もスタイルも好みだけど、俺と同じで、格闘好きっていうのには抵抗がある。
俺、守ってあげたい感じの弱そうな女の子を彼女にしたいとずーっと思ってたからさ。
だって、合宿の時にも言われたけど、その後、顔を合わすたびに勝負しない?なんて言われるんだぜ。」
「いいじゃないか?趣味が合ってて。」
「いやあ、そもそも、少林寺と空手じゃ、そもそもジャンルやルールが違うし、男と女で勝負なんていう子、抵抗あるなー。
彼女のこと、嫌いではないけど・・・
実は、俺、里見さん、木口さんも気になっているんだ。」
「えっ?あの二人は胸ちっちゃいぞ。
確かに可愛いけど、巨乳派が選ぶ女の子じゃないぞ。」
「いや、確かに巨乳派だけど、最近、小さな胸にも魅力を感じてきたんだ。
だって、性格も控えめそうでいいかなって・・・」
「それは勘違いだぞ。
新川さんを見ろよ。
胸小さいけど、気が強いじゃないか?
控え目じゃないぞ。」
「うーん、そういえばそうかもしれないなあ。
あ、でも、俺、里見さんと木口さんがいるところに行ってくる。
今日はまだ話をしてないんだ。」
児玉は女子校演劇部の二人、里見奈緒と木口萌奈美のところに向かって走りだす。
「うーん、俺は、あいくちゃんがお似合いだと思うんだけどなあ・・・
あいくちゃんと友理奈ちゃんは仲いいから、児玉があいくちゃんと付き合うとちょうどいいんだけど・・・」
一方、女子校の仲良し二人組篠原友理奈、佐々木あいくの方でも、新川梨亜の突然の告白に動揺していた。
「梨亜・・・告白して、成功しちゃったね。すごい!うらやましい!」
あいくはショックを受けていた。
あいくも彼氏を欲しがっていたので、友達に先を越された気分だった。
「ふふふ、ショック?私もショックだよ。
でもね、二人は中学時代からのつながりがあったから、決して急な展開じゃないと思う。付き合うべくして、付き合うことになった感じだよ。
祝福しなきゃ。」
「そうだね・・・。
でも、・・・私も彼氏ほしい。」
そう言いながら、あいくの視線は、同じ女子校演劇部の1年生の里見奈緒、木口萌奈美と仲良さげに話をしている児玉勝利を見ている。
「ははん、もしかして、児玉君が気になるの?」
「気になるよ。
私、格闘の強い男の子好きだもん。
でも、会うたびに私と勝負しない?って言ってたら、今日は敬遠されてる感じ・・・
女とは勝負はしないとか、少林寺と空手はルールが違うとか言われてたしなー。
あ、友理奈は気に入ってる男子いないの?」
「うーん、私も彼氏ほしいんだけどねー。
ゆっくり選ぶ事にした。
だって・・・男の子の性格ってよくわからないもん。
私って、ナイスバディでしょ?
安売りすることないかな?なんて思ってる。」
「わー、余裕だ。
私は、すぐ彼氏ほしいよ。もう彼氏いない歴1年近くなっちゃう!
どうしよう?
私だって体型に自信あるけど・・・」
「恋愛体質なんだよねー。あいくは。
応援するから頑張りなよ!」
「ほんと、嬉しいっ。」
友理奈はあいくが可愛いなーと思う。
自分はあいくのように感情を表に出すのが苦手だし、物事を冷静に判断するくせがある。
中学の時、生徒会長をやって、そういう癖がついてしまったのかもしれない。
男子校の生徒については、落合を始め、複数の男子が自分のことを好いてくれていることはわかっているが、一人一人人格を見極めようなんて考えている。
一目惚れが出来ないタイプだなーと自分でも呆れてしまう。
さて、カップルになった友利豊と新川梨亜である。
梨亜は豊の前で、もじもじしながら、お願いをしていた。
「あのさ、付き合うんだから、名前で呼びたいんだけどいいかな?」
「ええ?そうだな…り・・・あ…とか?」
梨亜は真っ赤になってしまうが何とか答える。
「うん、それでお願い。呼び捨てがいい。
私も言うよ。
ゆたか…」
「お、おお。いいんじゃない…」
二人は、二人だけの世界に入ってしまっていたため、ちょっと離れたところから生暖かい視線があることに気づかない。
視線を向けていたのは顧問の教師、山野秋葉と福島雅だった。
「うわー、若いっていいねー。
見ていて恥ずかしくなっちゃうよ。
ラブコメのアニメ見てるみたい。」
「ふふふ、でも余裕じゃない。
雅に婚約者ができて、本当に良かった。
雅が去年と同じで彼氏なしだったらぶち切れてたんじゃない?」
「うう、そうだね。
パートナーが見つかって良かった。
去年のままだったら、多分高校生の恋路の邪魔しちゃったかも!」
「そんなことしたら、生徒に嫌われて部活運営がおかしくなるよ。
ふー、そうならなくてよかった。」
「ほんとに!
そうだ、朱理にも彼氏ができるといいなぁ。
あの子、この間、電話で結婚式に出席した時に相手探しますって言ってたよ。」
「朱理は私たちの2個下だから、まだいいんじゃない?」
「うーん、そうだけど朱理、彼氏がいたことないから、20代後半になって焦ってるよ。」
「そっか。
ふふふ、やっぱり余裕あるね、雅。
前は朱理に先を越されたらどうしよう?朱理に彼氏ができそうになったら邪魔しないと!って言ってたの覚えてるよ。」
「うわっ、それは冗談だよ。朱理には言っちゃダメだよ。変なこと覚えてるんだから。」
「はいはい。わかりました。雅って面白い!」
「秋葉の意地悪〜」
兎にも角にも雅に結婚相手が見つかって良かったと思う秋葉だった。




