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140 小出家で祝勝会

2家族合同の宴会の始まりです。盛り上がるでしょうか?

板谷翔の妹の板谷佳織です。


全国大会で優勝した翌週の週末。


小出さんのお宅に家族でお邪魔します。


両親はお酒を飲む気満々で、公共交通機関で行くことになりました。

帰りはタクシーを使うことになりそうです。

お父さんも、お母さんも飲み過ぎないといいけど・・・


お父さんお気に入りの日本酒と、有名店のケーキを抱え、私たち板谷家は小出家に到着しました。


「いらっしゃい、公佳。待ってたわよ。ようこそ、我が家へ。」

まずは、葵さんのお母さん、智花さんが迎えてくれました。

お母さん同士はもともと友達なので、嬉しそうです。


続いて、葵さんのお父さんが出てきます。

「あ、板谷さん、ようこそ。

おっ、その日本酒、幻の名酒じゃないですか?

よく手にはいりましたね!」


「おお、小出さん、わかりますか?

知り合いの酒小売店に頼んで、特別に仕入れてもらったんですよ。

ここの酒蔵はあんまり生産しないので、なかなか手にはいらないんですよね。

今夜は美味しいお酒を飲みましょう!」


「わざわざすみません。

ぜひいただきます。楽しみです。

日本酒は私の家内も飲むんですよ。」


「そうですか?うちの家内もです。

じゃ、大人4人は日本酒で盛り上がれますね。」


「素晴らしい!私のトコロにもいいお酒を準備しています。

そっちも飲みましょう。」


「ぜひぜひ。そっちも楽しみです。」


なんか、お父さん同志は日本酒で盛り上がっちゃってる。

そういえば、お母さんも日本酒好きだったんだ。

こりゃ、酔っ払いが4人になって、めんどくさそう。


「あらー、佳織ちゃん、いらっしゃいー。相変わらず、可愛い!

今日はいっぱい食べてね。私も料理手伝ったんだから。

あら、翔君、やっぱりイケメンね。

あ、失礼。私、葵の姉の柚っていいます。

きょうはよろしくお願いします。」


「あ、翔です。あのー、いつも小出・・・葵さんとは仲良くさせてもらってます。」


わっ、お兄ちゃんが目を白黒させて、挨拶してる。葵さんにそっくりだってことに驚いているし、おっぱいが大きいことにも動揺してる。

あのおっぱい、Fカップくらい?でかい!

女の私でも、触ってみたい気がする。すごい!


「あ、お姉ちゃん、板谷君、誘惑しちゃだめだからね。

私の大切な友達なんだから。」


おおっ、何気に葵さん、柚さんに釘を刺してる。

葵さん、お兄ちゃんのこと意識してるのかな?

そうだよね。演劇部で仲良くやってれば、当然、うちのお兄ちゃんのこと好きになるよ。

ふふふ、お兄ちゃんもまんざらでもなさそうな顔してる。

この二人、もしかしたら両想い?

お似合いだもんね。

最初は同じ学校の同じ演劇部に所属してるなんて知らなくて、お兄ちゃんに葵さんを紹介したいと思ってたけど、現状を見ちゃうと、もう付き合う寸前のような気もする。

どうなんだろう?

何か、葵さんの性別なんて関係ないような気がする。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


葵です。

2家族での、祝勝会がスタートしました。

山のようなお料理と飲み物を前にして、2家族が向き合って歓談を始めます。


優勝した話から始まりましたが、お酒が進むうちに、板谷君のお父さんが、けがをした時に、ティッシュとガーゼ付き絆創膏をもらった話を始めました。


「いやー、あの時、ひどい目にあって、一瞬最悪な気分でした。

なんて、運が悪い日なんだって、へこみました。

でも、葵さんのおかげで、すごく清々しい気持ちに変わったんですよ。

ホントにいいお嬢さんですよ。

こういう女の子なら、翔の嫁さんにしたいってものすごく思いました。」


「私も、昨年、葵さんに初めてお会いしたときから、翔の彼女にどうかしら?って思ったんですよ。

先日、全国大会で、葵さんの事情は聴きましたけど、それでも、その考えは変わりません。」


「うん、そうだな。そんな事情なんて、小さなことだ。葵さんには翔の彼女になってほしいな。」


ひゃーっ、私の性別がばれてるのに、息子の彼女にしたいなんて言ってくれてる!

ちょっと恥ずかしい。反応ができない。

でも、板谷君、困っちゃうだろうなあ。


「いやー、板谷さん、うちの葵を褒めてくれてありがとうございます。

葵については、私も家内も、長女も生まれつきの女子と思っております。

翔君の彼女にしてもらえるなら、私たちは万々歳です。

翔君はめったにいない爽やかなイケメンですからね。」


「公佳、もしかしたら、私たち親戚になっちゃう?

素敵じゃない?」


「あ、智花、それ、いいかも。」


「イケメンの義理の弟かー。確かに魅力的ね。」


「私に美人のお姉さんが二人できるんだ。すごい!」


もーっ、みんな言いたい放題。

当事者の私と板谷君、そっちのけ。


「ねー、板谷君。

酔っ払いの相手は大変だから、ちょっと私の部屋に行かない?

私の中学校の時の卒業アルバムとか見ない?」


「そ、そうだな。ここにいると酒の肴にされそうだ。」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


板谷翔です。

小出の家で食事会をしているのだが、酔っぱらった両親4人が、俺と小出を話のネタにするので、恥ずかしくてたまらない。

小出の誘いで、小出の部屋に入ることになった。


「どうぞ。一応、掃除してあるから。」


「おおっ。お邪魔します。

うわっ、女の子っぽい部屋だ。妹の部屋と同じ感じだ。

・・・んっ?

でも、あそこだけ、女の子っぽくないぞ!」


俺は、本棚に並ぶ少年マンガのコミックを見つけてしまった。

絶対普通の女の子が買いそうもないタイプのマンガだ。


「ふふふ、そうだよね。

私、マンガとかアニメの好みは男の子と同じだよ。

まあ、部分的には男の子なのかもしれない。

少女マンガは理解できても、面白いと思わないんだ。」


「そっか、でも、マンガとかアニメの趣味が俺と合うのは助かるな。

話をしてて盛り上がる。

少年向けアニメを理解できない女の子と話すのはけっこう疲れる。」


「実は、私、女子校の女の子や、三島さんとおしゃべりするときに、

盛り上がれる時と、盛り上がれない時あるんだ。

やっぱり、中学まで男の子として暮らしてきたから、こういう趣味的な領分は難しいよ。

アイドルとかに対するノリとかも違うしね。」


「何か、わかる気がするよ。

少女漫画もそうだけど、妹が好きな男性アイドルの話って男子には理解できないところがあるもんな。」


「たぶん、私、そういった男の子的な心は持ち続けると思う。

それはそれで、楽しいもん。」


「いいんじゃないか?

その方が、俺も小出と話しやすい。」


「よかった。」


「おお。」


私たちが、向かい合って、ほっこりしてると、姉の柚と佳織ちゃんがやってきた。


「おっ、キスしてるかと思ってたけど、まだだったようね。」

「うん、私も、キスシーン見たかった。」


「お姉ちゃん、変な事いわないで!」

「佳織、俺をからかうな!」


私たち二人は真っ赤になってしまいました。



もう、二人は恋人同然のような気がしてきましたね。

作者も二人の節度あるイチャイチャが楽しいです。

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