136 全国大会優勝
高校演劇の全国大会なんて全然内容は知らないので、適当に書いています。すみません。雰囲気だけそれ風にしてみました。ご容赦ください。
葵です。
審査結果発表の瞬間がついにやってきました。
「最優秀賞 桃花高校!」と司会の声が響き渡ります。
その瞬間、私たちは一斉に立ち上がってしまいました。
「やったー!優勝だー!」
「うおーっ!!やったぜー!」
思わず私と隣にいた板谷君は抱き合って喜んでしまいました。
ちょっと恥ずかしかったけど、すごい瞬間だからいいんだと割り切っちゃいます。
尾崎君も安藤君も後から私たち二人に抱き着いて、結果的には4人で抱き合います。
うーん、青春だ。
尾崎君は、「ついに、ついに・・・」と涙ぐんで顔がぐしゃぐしゃです。
3年生の先輩方も、
「受験勉強に影響あったけど、これで浪人しても悔いなし!」と叫んだり、
「2年生の活躍のおかげだ、お前らすごいぞ!」と褒めてくれたりします。
褒めていただけるのは嬉しいけど、2年生だけだったら、力不足だったと思います。
確かに主役とヒロインは私と板谷君の2年生コンビでしたけど、脇は演技のうまい3年生が固めていましたからね。3年生あっての私たち2年生でした。
端役しか与えられなかった1年生も頑張りました。
この大舞台の空気を少しでもわかってほしくて、舞台には昇ってもらったんですが、正解です。
友利君の出番は少しだけでしたけど、それでも存在感がありました。
そして、顧問の山野秋葉先生・・・
山野先生はいつもクールなのに・・・
「まさか、全国で優勝するなんて・・・こんな幸せってある?」と目が真っ赤です。
よかった。先生を喜ばせることができて・・・
恩返しができた。
そのあとはあっという間にセレモニーが終了します。
夢見心地のまま、進行していき、気が付いたら終わってました。
もう舞い上がっていたとしかいいようがありません。
興奮状態が続きました。
とは言っても、いつまでも現地にいるわけにもいきません。
隣の県です。道具をとりあえず、学校に持ち帰らなければいけません。
帰り支度をしていたら、駆けつけてきた女子高メンバーが祝福にやってきました。
「男子校の皆さん!おめでとうございます!」
福島先生、祐希、由奈、そして1年生の新川さんでした。
由奈の隣に菅原君がいたのには驚きませんでしたが、
福島先生の隣に従兄の将司君がいたのにはびっくり。
知らない間に付き合っているんだ!
あれから報告なかったからどうしてるのかと心配してたのに。
あれれっ?という不思議そうな視線を二人に向けます。
「あ、今日はね将司さんがワンボックスの車を借りて6人で一緒に来たの!」
先生が恥ずかしそうに説明します。
(私たち付き合ってるの。そこは察して・・・)
(葵ちゃん・・・、俺たちが付き合い始めてるってわかるよな?)
みたいな心の声が聞こえました。
さては、女子校のメンバーにはそのような話をしちゃっているみたいです。
私は黙って、オッケーのマークを出します。
二人は一緒にうなづいて、安心したという顔になります。
「緊張したよ。菅原君がいたから良かったけど、女性4人乗せているからね。」
そりゃそうでしょう。将来ある若者を何人も乗せるのだから、緊張して当たり前。責任重大です。
それに、女の子が多いんです。気を使うのは当たり前。
それにしても、今日帰ったら家族に優勝の報告に加えて将司君のことも言わなきゃ。
家族みんな気にしてたと思う。
ちゃっかり、先生の彼氏って学校関係者にアピールしてるって言っちゃおう!
そうだ!それはさて置き、優勝の件はもうスマホで報告済みだけど、細かい状況を直接いっぱい伝えたい!
強敵揃いで、ダメかと思ったら優勝だったんだもの。
この感動は早く伝えたい!
昨日の舞台見てもらってて本当に良かった。今日は来てもらえなかったけど、私が見てもらいたかったのは審査結果ではなく、劇だもん!
最優秀賞に輝いた劇だからちょっとした記念になるよね!
そんなことを考えてたら、いきなり柔らかい身体に抱きしめられてしまいました。
「葵先輩!おめでとうございます!
先輩達なら絶対イケる!って思ってました。
良かった!
私も嬉しいです!」
新川さんです。私より背が高い新川さんに抱きしめられて、私が後輩みたいです。
いい匂いがするし、ドキドキしちゃう。
新川さんは涙を流して喜んでました。
新川さん、最近は小出先輩って言わず葵先輩って言うようになったんですよね。
何かというとスキンシップしてきます。
なんか、私とイチャイチャしたいみたい。
なんか照れるなあ。可愛くなっちゃいます。
私以外の相手にはクールビューティーな女の子なのに、私に対してはすごく女の子っぽい。
不思議です。
みんながニヤニヤします。
「新川さん、本当に葵が好きだよね。
すっごく愛情感じる。
百合っぽくていいかも。」
祐希がからかってくる。
「葵の胸成長したし、新川さん抱きしめがいあるんじゃないかなあ?」
「ちょっと由奈!こんなところで言わないで!」
「そうなんです。葵先輩の体、抱きしめがいあります。抱きしめると、すごく気持ちいいんです。
おっぱい、いい感じです。
私の彼女にしたい!」
涙が収まった新川さんもノリノリで主張します。
うわっ、恥ずかしいな。
「あらあら、葵は男の子が好きなんだからね。変なこと言っちゃダメ。
新川さんだって好きな男の子いるでしょ?」
「ええっ、そんなこと・・・
確かに葵先輩の好きな人知ってるけど・・・」
新川さんが私を抱きしめたまま視線を、ちょっと離れたところで談笑していた板谷君に向けました。
「ええ?」今度は私がうろたえます。
だって、部外者の従兄弟の将司君が興味を持ったみたいなんです。
「ほーっ、彼が葵ちゃんの好きな子なんだ!
なかなかかっこいいじゃないか!」
「あ、将司君、違うから!
勘違いしないで!」
私は思わず否定します。
「そうなの?」
「まあまあ、将司さん、高校生の恋愛は複雑なんだから、そっとして置いてあげて。
なるようになるから。
葵さんも照れてるだけよ。
わかってあげて。」
「そっか。なるほどね。」
私も女子高メンバーも、福島先生の言葉に呆気に取られます。
彼氏ができて、先生、余裕ができています。
いつの間にか、私を抱きしめるのをやめた新川さんが私に聴いてきました。
「将司さんと福島先生の馴れ初めって何ですか?葵先輩がキューピットなんですか?」
その一言で、今度は余裕だった福島先生が固まりました。
日本酒の譲り合いから始まった関係を露見されたら困ると動揺したみたい。
「ふふふ、秘密!」
私は福島先生の顔を見ながら、おどけて答えました。
教師の威厳に関わるので、武士の情けでごまかすことにします。
何気に葵の胸が成長していることを書きました。
明日も更新します。




