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‐PHANTOM‐  作者: 我来也
3/12

血塗の少女

俺は少女を風呂場に案内し、着替えとして、母の服を渡した。少女は

「覗かないでよ」

と言う『お約束』の言葉を残し、風呂場へと入る。

正直覗きたかったが、少女が居た部屋へと引き返した。

部屋の空気を換気する。

家全体に血の臭いが染み着いていそうだが、やらないよりマシだろう。

それに、血が落ちているのは、フローリングの上だけなので、拭き取ればどうにかなりそうだ。

少し安心し、ホッと胸を撫で下ろす。

大事にならずに済みそうだ。

さて…これからどうするか……暫くして、少女が風呂場から出てきた。

母の服のサイズは、少女にピッタリだ。濡れた髪と、上気した顔が艶っぽい

「で、訊きたい事は?」

いきなり少女が言った。俺は驚いたと同時に、話が早いと喜んだ。

「まずは名前かな」

心の中で少女と言うのも、飽きてしまった。

相馬(そうま) 幸灯(ゆきひ)。アナタは?」


「佐山 真希」


「真希…ねぇ?」

幸灯が意地悪そうに、俺の顔を覗き込む。

言わんとしている事は察しがつく。

今まで幾度と無く言われた言葉。そして、自身でも気にしている事…。

「真希って…

「女の子みたいな名前だろ(ね)」」

俺は、幸灯にダブらせるように、声を発した。

「あ、やっぱり気にしてるんだ?」

笑いながら、そんな事を平気で言う…。

こういう時は、申し訳なさそうにするのではないだろうか?



「別に…。気にしてない。怒るってほどでもないし」




ムッとして、ぶっきらぼうに答える。

これはつまり…



「気にしてるね」





「……」




そう言う事。


俺は無言の肯定をした。


「……」




幸灯は、澄ました顔で俺を見ている。



「お、俺の事はもう良いだろ?」


無言のプレッシャーに負けて、焦りながら話を変える。


「相馬さんは、何処に住んでるの?」


「言えない」



即答だった。


まぁ、易々と女の子が住んでる所を教える訳もないか…。


考えが軽率だったと思いを改め、次の質問をする。


「じゃあ…、相馬さ

「待って!」



「え?」



いきなり、質問を遮られた。

それに驚いて、間抜けな声を出してしまう。


「どうか…した?」



「一つ訊かせて?真希って何歳?」



「17だけど…」



「私16。年上が年下に、“名字+さん”なんて、あんまり良い事じゃないよ?」



「そ、そう?」



突然、突拍子も無いことを言われた。


少なくとも、俺の予想の範疇を遙かに越えていた。


「初対面だし、そんなに年も離れてない。別に“名字+さん”でも良いんじゃない?」



うん。可笑しくないハズだ。


「良いけど…真希は私の事、なんて呼びたい?」

「え?」



思わず聞き返してしまった。


『幸灯』と呼び捨てるのは、馴れ馴れしい気がするし…


「ま、良っか。好きに呼んで」



俺があれこれ悩んでると、幸灯が言い放った。


「訊きたい事は何?途中で止めちゃって悪かったけど…」



そう言って、話を元に戻す。


今一よく分からない行動パターンだ…。

が、訊きたい事が山ほど在るので、素直に訊いてみる。


「えっと…。じゃあ訊かせてもらう」


「うん」



「何であの場に居たの」


「言えない」



即答…。


「学校は?」


「言えない」



これも即答…


少し、質問のインパクトを強くしてみよう。


「じゃあ…何で剣なんて物騒な物を?」


「言えない」



失敗…

奥の手を出すしかない。


最後の質問のつもりで言い放った。


「人殺し…って?」


「……」



幸灯が沈黙してしまう。

ちょっとやり過ぎたかな…と後悔した。


「言えないよ…」



悲しそうに俯く…。

昨夜、幸灯を初めて見た時の表情だ。


「ご…御免」


自分まで悲しくなってきて、軽率な言葉を言った事を後悔する……。


「……」


「……」



二人の間に沈黙が流れた。

気まずい雰囲気だ…。


幸灯には、本当に悪い事をしたと思う。


取り敢えず、この空気をどうにかしたいが、何か策は無いだろうか…。


「ねぇ、真希?」



俺が考えていると、幸灯の方から口を開いた。


「言いたい事があるなら、言っちゃった方が良いよ?」



「え?何が?」



何が訊きたいか聞き返す。

言葉の真意が今一曖昧だった。


「う…うん…」



幸灯は言いづらそうに目を泳がせている。


「例えば、“迷惑だから早く出てけ”とか…」



言葉を発する時は、真っ直ぐに俺の眼を見る。


「出て行きたいの?」



「だって…、私は人殺しだし、物騒な剣なんて持ってるし、事情も説明できないし……」



何だ…そんな事を考えていたのかと、少しばかり驚いた。


図々しいかと思ったら、こんな事も考えるんだなと、自然と笑みが浮かぶ。


「関わりたくない人間の名前なんて、初めから訊かないよ。事情は、話したくなけりゃ話さなくて良い」



本当にそう思う。

興味が無い訳じゃない。ただ、無理して訊くほどの事では無い気がした。


「本当は私…行く処が無いんだ…。追い出さないと居座っちゃうよ?」



心配そうに、困った表情で訴える。


実を言うと、

「私は人殺しです」

なんて言う人間に、行くあてが在るとは思えなかった。

だから、大して驚きはしない。


それに俺は、幸灯と離れるのが惜しい。


「この部屋を使って良いよ…」



そして、出来うる限りの笑顔で少女の名前を呼ぶ。


「幸灯」





結局、少女の正体は謎のままか……


まだ逢って二日目だ。

気長に行こう。

いやぁ…進みませんねぇ(苦笑書きたい事は決まってるんですが、そこが難しさと言うか何と言うか……。え?作者の技量不足?知ってますとも( ̄ー ̄)あ、石投げないで(ノxox)ノそれと、感想など頂ければ、大変うれしいですo(^-^)o厳しい意見、励ましのメッセージなど、何でも受け付けています(*^_^*)微妙なテンションの作者は気にせず!今後とも‐PHANTOM‐を宜しくお願いします(^0^)

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