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幼女の、幼女による、幼女のための楽園(VRMMO)  作者: 雪月 桜
第1章 スタートダッシュ:CASEカナ

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対等な……

「はぁ……はぁ……はぁ……。これで、僕の仕事は終わりだ。……後は任せる。しくじるんじゃないぞ」


このまま永遠に続くかと思われた、人型兵器のレーザー攻撃が、ようやく終わりを告げた。


そして、MPを使い果たしたベイドが、満身創痍となりつつも、激励を送る。


「ラックさん! お願い!」


それから、同じくMPを使い切った、みのりんが、ベイドを支え、最後の役目をラックに託した。


「はい! お二人が作ってくれた千載一遇のチャンス、必ずモノにしますっ!」


二人の想いを受け取ったラックは、既に人型兵器の目の前だ。


どうやら、あのレーザー攻撃の真下を、ほふく前進で潜り抜け、接近していたらしい。


そんな危険を冒さずとも、レーザーを避けて迂回する道もあっただろう。


しかし、その方法では人型兵器の正面にある心臓部を狙うのに時間が掛かってしまう。


そして、心臓部が露出するのは、赤いレーザーを放ち終わってから僅かな間だけなのだ。


その機会を確実に捉えるために、ラックはリスクを背負ってギリギリの勝負を仕掛けた。


そして、その賭けに勝ったのだ。


「せぁぁぁっ!」


充分な助走で勢いを付けて飛び上がり、人型兵器の心臓部に狙いを定め、剣を振り上げるラック。


これを振り下ろせば、勝利が決まる。


しかし――、


「なっ!?」


人型兵器は、この期に及んで、なお抵抗を続けた。


流石に、あの赤いレーザーを再び放つ事は出来なかったようだが、低威力の青いレーザーを収束し始めたのだ。


また、低威力とは言っても、無防備なラック一人を撃ち抜くには充分な威力がある。


そして、この場面さえ凌げば、態勢を立て直すことも可能だろう。


それは、つまり、ラック達の敗北を意味する――。


「――とでも思ったかぁぁぁ!?」


「ちょ、わぁぁぁ!?」


ラックが絶望に屈しかけた、次の瞬間、カナの絶叫と凄まじい衝突音が鳴り響いた。


加えて、人型兵器がラックに向かって、猛スピードで突っ込んでくる。


おそらく、カナが背後か人型兵器を殴り飛ばしたのだろう。


慌てたラックは無我夢中で、とにかく剣を振り下ろした。


その切っ先は、狙い澄ましたかのように、人型兵器の心臓部に突き刺さる。


そして――、


「あっ……」


人型兵器の全身が淡い光の粒子となって霧散していった。


「っしゃあああ! ラスボス討伐完了ぉぉぉ! うぇぇぇいっ!」


「う、うぇぇぇい? って、そうじゃないですよ! なんですか、この締まらないラストは!? あれだけ激闘を繰り広げておいて、最後がこれですか!?」


テンションが振り切っているカナのハイタッチに、おずおずと応じたラックだが、すぐさま我に返って、ツッコミを入れる。


「んなもん、知ったことか! 勝ちゃあ良いんだよ、勝ちゃあ!」


「なんか色々と台無しです!」


そんな風に言い争う二人は、もはや師と弟子ではなく、対等な仲間だった。

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