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幼女の、幼女による、幼女のための楽園(VRMMO)  作者: 雪月 桜
第1章 スタートダッシュ:CASEカナ

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穴の謎と少しの和解

「……なるほど、みのりんさん達が天井から降って来たのは、そういう経緯だったんですね。あれは本当にビックリしましたよ」


「いやぁ、私も確信は無かったからさ。実際に床を撃ち抜けた時は驚いたな〜」


人型兵器の討伐に成功した、みのりん達は、そのまま部屋に残り、雑談に興じていた。


何故、さっさと先に進まないかというと、消耗した体力や精神力を回復し、万全の態勢を整えるためである。


恐らく大丈夫だとは思うが、万が一、この先に第2、第3のボスが待ち構えていた場合、あっさりと全滅してしまう事になる。


その可能性を考慮した、みのりん達は、一時の休息を取って英気を養うと共に、これまでの互いの冒険について報告し合っていたのだった。


そして、今は、みのりんがラックの窮地(きゅうち)に駆け付けたカラクリを説明し終えた所だ。


「それにしても、まさか、各層の小部屋に空いていた謎の穴が全て繋がっていたとはね。しかも、それが、ボスの部屋に通じる隠しルートを示していたなんて……。普通なら、まず見落として気付かないよ」


呆れと尊敬が入り混じったような口調で、ベイドが苦笑する。


そう、みのりん達が第一層から見つけていた、【謎の穴】。


それが、ボス部屋に通じるカギとなっていたのだ。


ちなみに、この上の階層、つまり、みのりん達が降りてきた階層の床には穴が無かった。


代わりに、天井から差し込む光が床の一部を照らしていたのだ。


その部分を良く観察した、みのりんは、周囲の床と少しだけ色が違う事に気付いた。


そして、今まで続いていた光の通り道が途切れた理由を考えたのだ。


その結果、『この床だけは他と違って貫通することが出来るのでは?』という結論に達した。


それで実際に試してみたら、予想通り、階下に降りることが出来たという訳だ。


「そんな秘密に気が付くなんて、流石、みのりんさんです! ……というか、みのりんさん達が通ってきたルートは何かと頭を使う仕掛けが多かったようですね。その穴もそうですけど、痺れ薬を塗った毒矢の話もありましたし。僕達のルートは、ひたすらモンスターとの戦闘でしたよ……」


ここまでの、道のりを思い返しているのか、ラックが遠い目になった。


どことなく瞳から光が消えている気がするが、まぁ多分、気のせいだろう。


「あー、なるほど。それで、私達のルートはモンスターが少なかったのかな? ベイドさんを背負ってる時も全然、襲って来ないから不思議だなって思ってたの」


「そういや、お前、みのりんにおんぶして貰ったんだっけ? ププッ、騎士様ともあろう者が、だらしねぇなぁ」


カナがここぞとばかりに、ベイドをからかうが、当の本人は涼しい顔だ。


「フンッ、身を(てい)してレディを(かば)った結果なのだから、恥じることなど何もないね。それに、僕は麻痺が抜けるまで休めば良いと言ったんだ。それじゃあ競争に負けるからと無理を押し通したのは彼女だよ」


「チッ、口の減らねぇ野郎だぜ」


「君にだけは言われたくはないけどね」


相変わらず、水と油のように相容れない二人だが、初めて会った時に比べれば、随分と(トゲ)が抜けた態度に見える。


タイプは違えど、戦闘において己の価値を示す二人だ。


背中を預けて戦ったという経験が、二人の関係に良い影響を及ぼしたのだろう。


となれば、残る問題は、あと一つ、いや二つだけ。


それも、このダンジョンの攻略が終わる頃には解決するはずだと、みのりんは頬を緩めていた。

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