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幼女の、幼女による、幼女のための楽園(VRMMO)  作者: 雪月 桜
第1章 スタートダッシュ:CASEカナ

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真っ向勝負

「いっくよぉぉぉ! 全MP消費! 魔導銃フルバースト!」


長いタメの後に放たれた、人型兵器の極大赤レーザー。


その脅威に対抗すべく、みのりんも己の切り札を解き放つ。


魔導銃の消費MPを限界に設定し、全てのエネルギーを収束させた、文字通りの“最後の一撃(フルバースト)”。


それは、一条の光となって、人型兵器のレーザーと真っ向から激突した。


「うぉぉぉっ!」


気持ちで押し負けてたまるかと、みのりんが叫ぶ。


まるで、命を振り絞るかのような咆哮と共に、みのりんのMPゲージが凄まじい勢いで減少していく。


対して、人型兵器の方は、まだ余裕が見られる。


先程の長い予備動作の間に、どこからか、エネルギーを供給されていたのか。


事の真相は不明だが、みのりんの窮地には変わりない。


「みのりんさん!」


遠くから、ラックの声が聞こえる。


何故か、その姿は見当たらないが、みのりんを案じているのは間違いない。


そして、みのりんは信じている。


このピンチを凌げば、ラックが必ず勝負を決めてくれると。


だから――、


「大丈夫! ラックさんは前だけ見てて! その先は、きっと勝利に繋がってるから!」


不安に揺れるラックの背中を押すように、声を張り上げた。


そう、何も心配することなんかない。


だって、自分には頼れる仲間達が付いているのだから。


「やれやれ……。本当に君は無茶ばかりするものだ」


そんな声と共に、一人の男が、みのりんの目の前に飛び込んだ。


まさに、そのタイミングで、みのりんの砲撃が終わりを迎える。


そして襲い来る赤い閃光。


しかし、男が構えた盾を中心として半球状の障壁が生まれた。


かつて、みのりんのフルバーストすら防いで見せた、彼の奥の手だ。


その障壁は、二人を飲み込まんと迫るレーザーを(ことごと)く散らし、なお原型を保っている。


「ベイドさん!」


「全く、君というやつは……。まさか、あんな攻撃に真っ向勝負を挑むなんてね。まぁ、それでこそ、この僕が認めた甲斐があるというものだけどね」 


レーザーの脅威に晒されつつも、こちらを振り返って、不敵な笑みを浮かべるベイド。


「あははっ。危なくなっても、きっとベイドさんが助けに来てくれるって思ってたから!」


「……はぁ。人を頼るのは結構だけど、そんな簡単に他人を信じてたら、いつか足元を掬われるよ?」


全幅の信頼を乗せた、みのりんの言葉に何を思ったのか、ベイドはプイッと前を向いてしまう。


「え〜? ベイドさんは、もう他人じゃないでしょ? だって、私たち友達じゃん!」


「……」


みのりんの言葉に、何の反応も示さないベイド。


――いや、良く見ると、その耳が真っ赤に染まっている。


「あっ、ベイドさんが照れてる!」


「照れてない!」


先程までの緊迫感は、どこへやら。


敵の攻撃の真っ最中にも拘らず、そんな気の抜ける遣り取りが交わされていた。

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