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幼女の、幼女による、幼女のための楽園(VRMMO)  作者: 雪月 桜
第1章 スタートダッシュ:CASEカナ

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最後の一手

「み、みのりんさん……本当に、これで行くんですか?」


「もちろん! だって、他に方法は無いでしょ?」


「それは……そうなんですけど。でも流石に、この体勢は、かなり恥ずかしいんですが……」


「あーもう、モジモジしない! 男の子でしょ!」


「いやいや、男だからこそ恥ずかしいんですってば! ……こんな風に女の子に抱き付くなんて」


顔を真っ赤にしたラックが全力でツッコんだかと思えば、一転して蚊の鳴くような声で呟きを漏らす。


そう、現在ラックは、みのりんの背中から抱き付き、みのりんのお腹を締め付けるように、足をクロスした体勢になっている。


一言で説明すると変則的な“おんぶ”の状態だ。


これは別に遊んでいる訳ではなく、人型兵器討伐の会議で導き出された作戦である。


「仕方ないでしょ? あの赤レーザーの隙間を見抜けるのはラックさんだけだし、ラックさんが一人でロボットの所まで行くのは無謀なんだから。私が背負って運ぶしかないじゃん」


みのりんが言った事からも分かるように、この作戦の要はラックである。


どうやら、あの赤レーザーを撃ち終わった瞬間だけ、人型兵器の心臓部が(あらわ)になるらしいのだ。


そして、それを見抜いたのはラックのみで、他のメンバーは良く分からなかった。


そこで、カナとベイドが囮になり、機動力特化の、みのりんがラックを運ぶ手筈(てはず)となった訳だ。


そんな面倒な事をしなくても、遠くから銃撃するなり、ラックの魔法で攻撃するなりすれば良いという案も出たが、結果的に成功しなかった。


遠距離攻撃を仕掛けると、人型兵器が危険を感知して、赤レーザーで迎撃してしまうのだ。


おまけに赤レーザーの威力が高すぎて、こちらまで貫通して来るのである。


つまり、どうにかして接近して、人型兵器を叩くしかないという事で、最も効果的なのが、その心臓部への一撃という訳だ。


「そ、それは分かってますよ? でも、あの、みのりんさんは何ともないんですか? 僕が、こんなにピッタリ張り付いてても」


「ん? 別に? だってラックさんだし」


「そ、そうですか……。これは嫌われていない事を喜ぶべきなのか、それとも男扱いされてないことを悲しむべきなのか……」


ちなみに、カナがラックを背負うという案もあったが、そちらは却下された。


純粋な機動力を活かして余裕を持って回避する、みのりんと違って、カナは常人離れした反射神経と、巧みな体捌きで紙一重の回避を実現している。


そのまま攻撃に繋げやすいという利点はあるが、今回のように誰かを背負った状態だと動きが制限されてしまい、回避が追い付かないだろう……という考えだ。


「なーに、ブツブツ言ってるの? カナちゃん達も準備が出来たみたいだし、そろそろ始めるよ!」


「は、はい! よろしくお願いします!」


ラックの返答を受け、みのりんは勢い良くスタートダッシュを決めた。

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