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幼女の、幼女による、幼女のための楽園(VRMMO)  作者: 雪月 桜
第1章 スタートダッシュ:CASEカナ

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無謀の代償

「よっ、ほっ、はっ!」


「うわっ!? はわっ!? ほわっ!?」


壁や天井、そして床に反射する黄色いレーザーを次々と躱していくカナとラック。


どちらも回避に集中していて、反撃する余裕がないというのは共通しているが、ラックの場合は、その回避すら覚束ない様子だ。


時に頭を抱えてしゃがみ込み、時に大きく飛び跳ねて、時に石柱の影に滑り込む。


乱反射する黄色いレーザーも、石柱に当たれば霧散するので、際限なく数が増えていくという事はない。


しかし、それでも四方八方から襲い来るレーザーを避け続けるのは至難の技だった。


二人が手にした柱の残骸による防御も、徐々に追い付かなくなっている。


「ちっ、ホント面倒くせぇなぁ! 壁やら床やらが全部、金属になってんのは、このためだったって訳かよ!」


「なるほど! 土だとレーザーを反射できませんからね! 納得です!」


カナの言葉に、ヤケクソ気味なハイテンションで応じるラック。


先程とは違って、もはや落ち込んでいる余裕もないという事だろう。


しかし、戦闘の意欲が途切れないのは助かるが、これはこれで大丈夫か心配になるカナであった。


「こりゃあ、さっさとケリ付けねぇと、ラックの人格が歪みそうだぜ。……しゃあねぇ、そろそろ腹括るかっ!」


「えっ、ちょ、カナさん!?」


これまで回避に専念していたカナが、柱を大きく振り回しながら、人型兵器に突進して行く。


当然、青と黄色、2種類のレーザーが入り乱れて、嵐のようにカナを襲った。

 

「ハッハァ! オラオラ、どうした!? まだ一発も当たってねぇぞ!」


回転させた石柱で、それらを弾きながら、グイグイと距離を詰めていくカナ。


しかし、近づけば近づくほど敵の反撃も苛烈になり、少しずつペースが落ちていく。


加えて、捌き切れなかったレーザーが肩や腰を掠めて、カナのHPを削っている。


それでも一歩も引かず、前に進み続けたカナは、ついに人型兵器の足元まで辿り着いた。


「っしゃ! ここまで来りゃあ充分だ!」


その手に持った短い柱を投げ捨て、人型兵器の足にしがみつくカナ。


そこから僅かな凹凸に手を掛け、スイスイと登っていく。


しかし、人型兵器がレーザーで迎撃する様子はない。


恐らく、自傷行為を禁止するプログラムが設定されているのだろう。


だから、誤射を恐れてカナに攻撃することが出来ないのだ。


その代わりに、体を揺らしてカナを落とそうと試みるが、ピッタリと張り付くように密着したカナは微動だにしなかった。


「こうなっちまったら、俺様に手出しは出来ねぇだろ? そんじゃあ、まぁ、ゆっくりと―――ぐ、ぁっ!?」


カナが勝利を確信した次の瞬間、その体に稲妻が走った。

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