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幼女の、幼女による、幼女のための楽園(VRMMO)  作者: 雪月 桜
第1章 スタートダッシュ:CASEカナ

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イエローゾーン

「オラオラオラオラオラオラオラオラァ!」


気勢を上げて人型兵器に迫るカナは、迎撃として放たれた青いレーザーを尽く弾き飛ばす。


「うぉぉぉっ!」


そして、奮い立たせた勇気を胸に、人形兵器へ立ち向かうラックもまた、無数の青いレーザーを余さず逸らす。


戦意を取り戻したとはいえ、未だ劣勢にあったはずの二人が形勢を逆転しているのは、一つの偶然が切っ掛けだった。


実は先程、カナが、うっかり足を滑らせたのだ。


疲れた素振りなど、これまで全く見せなかったカナだが、長時間の戦闘で、さすがに疲労が蓄積していたらしい。


その際、ちょうど手近にあった柱の瓦礫を迫りくるレーザーに投げつけ、少しでも軌道を逸らそうとした。


しかし、その瓦礫はレーザーの軌道を逸らすどころか、完全に霧散させていたのだった。


そこから着想を得て、カナは短くなった柱の一部を武器として、ラックは欠けた柱の一部を盾として、それぞれ活用することにした。


ちなみに【武装放棄】や【ステゴロ上等】の発動条件に抵触する心配もない。


これは、あくまでもオブジェクトであり、武器や盾として設定されている訳ではないからだ。


この戦いでのみ使用可能な戦法ではあるが、その効果は非常に有効だった。


厄介だった敵の攻撃を難なく防げるようになったので、こちらも攻撃に専念できる。


カナは拳と柱で、ラックは魔法で、それぞれ着実にダメージを重ねていく。


人型兵器の動きも少しずつ鈍くなっており、各部のパーツから煙が立ち昇っていた。


「カナさん! このまま行けば!」


「ああ、見ろ! 奴の体のライン!」


人型兵器の全身には、今まで青い光のラインが浮かんでいた。


しかし、ダメージを受けた事で、その色は黄色に変化している。


やがて体力の限界が近付けば、恐らく赤に変化するのだろう。


そうなれば機能停止まで、あと一息だ。


――そう思っていた。


「ハッハァ! もう、お前のレーザーなんて、怖くも何とも……っ!?」


油断したカナの背筋に悪寒が走る。


直感に従い、慌てて身を屈めると、頭上を()()()レーザーが通過していった。


間一髪の所で、何とか回避に成功したものの、問題はレーザーが飛んできた向きにある。


そのレーザーは何故か背後から襲ってきたのだから。


「カ、カナさん……。あれ……」


ラックが震えながら、虚空を指差す。


そこには“壁や床、天井に当たって反射する数え切れないレーザーの嵐”という、悪夢のような光景が広がっていた。


「チッ……第2形態ならぬ第2能力ってことかよ」

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