表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
幼女の、幼女による、幼女のための楽園(VRMMO)  作者: 雪月 桜
第1章 スタートダッシュ:CASEカナ

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

62/80

囮と弱音

「うわぁぁぁっ!?」


もう何度目になるか分からない絶叫を上げつつ、柱の陰に向かって頭から飛び込むラック。


そして、そんな彼を射抜かんとするレーザーが、一瞬遅れて柱に殺到する。


その衝撃が轟音と暴風を生み、辺りを蹂躙(じゅうりん)するが、柱自体の損傷は至って軽微なものだった。


ちなみに、間一髪の所で回避に成功したラックは、床に伏したまま額に汗を浮かべて、浅い息を繰り返している。


「オラオラ! レーザーを凌いだら、さっさと次のポイントに移動だ! 休んでる暇は無ぇぞ!」


「ぜぇ……ぜぇ……。む、無茶を言わないで下さい……。」


人型兵器との戦端が開かれてから、既に数十分が経過している。


その間、飛び交うレーザーを避けるために、ほとんど走りっぱなしだったのだから、ラックの疲労も無理はない。


むしろ、ラックの数倍に当たる量の運動をこなしながら涼しい顔をしているカナが異常なのだ。


この世界にスタミナ切れという概念は無いが、精神的な疲労は際限なく蓄積していく。


カナが、これほどまでにタフなのは、普段から激しい戦闘を繰り返してきた成果だろう。


「コイツの突撃を封じるには、コレしか無いんだから仕方ねぇだろ! 」


そう、これは別にラックに対して理不尽なシゴキをしているという訳ではなく、れっきとした作戦なのだ。


人型兵器は視界に映った敵をレーザーで殲滅するが、視界から敵が居なくなると、攻撃方法を突撃に変更する。


そして、その突撃は、挑戦者に与えられた“柱の陰”という安全地帯を削ってしまう。


そこで、カナが隠れている間はラックが囮に、ラックが隠れている間はカナが囮に、

という感じで交互に姿を晒して敵を撹乱(かくらん)しているのだった。


これにより、敵の突撃を防ぐだけでなく、レーザーの照準を合わせ辛くさせている。


そうして敵の得意技を潰し、コツコツとダメージを累積させているのだが、さすがに二人だけでは人手不足が否めない。


現に、こうしてラックが精神的な限界を迎え始めているのだから。


「こんな時に、みのりんさんが居てくれたら……」


「バッカ野郎! 確かに、みのりんは頼りになるダチだけどな! 今は競争相手だろうが! それに、お前自身の力をベイドに認めさせなきゃ意味ないだろ!」


それまで、うつ伏せに寝そべっていたラックが、ベイドの名を出した瞬間にピクリと反応する。


そのまま、しばらく沈黙した後、フラフラになりながらも、ゆっくりと立ち上がった。


「……そうでしたね。僕は、また間違える所でした。この人型兵器を倒して宝を手に入れる事も、もちろん大切ですが、ここに来た切っ掛けは、ベイドさんに対する挑戦だった。自分から喧嘩を吹っ掛けておいて、このザマでは、情けないったらありゃしません!」


「おうよ! 短い期間だったけど、お前は俺様の特訓で鍛えられてんだ! こんな人形の一つや二つ、バラバラにぶっ壊してやろうぜ!」


「はい!」


疲労は抜けなくとも、全身に活力を(みなぎ)らせ、ラックが戦線に復帰する。


かくして、人型兵器との戦いは、次なるステージへ移行していく。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ