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幼女の、幼女による、幼女のための楽園(VRMMO)  作者: 雪月 桜
第1章 スタートダッシュ:CASEカナ

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人型ロボット兵器

「チッ! おいこら、ラック! 隠れてばっかいないで、ちっとは反撃しろ!」


「ムリムリ、ムリですって! こんな雨みたいな弾幕の中を走り回れるのはカナさんだけです! 常人なら顔を出した瞬間に撃ち抜かれますからぁ!」


数々の試練を乗り越え、なんとか無事にダンジョンの最深部まで辿り着いたカナとラック。


そんな二人に与えられた御褒美は、高速機動する人型ロボット兵器の手荒い歓迎だった。


数えるのも馬鹿らしいほどのレーザーが、広大な空間を縦横無尽に飛び回り、光の軌跡を描いている。


これがライブハウス等で見られる、ただの演出であれば、素直に見惚れていただろうが、あいにくバッチリと致死性を備えていた。


そのため、ラックは部屋の中に点在する柱の影に身を潜めて、やり過ごしているのだ。


ちなみにカナの方は、ラックが言ったように反射神経と身のこなしでレーザーを掻い潜り、あまつさえ反撃すら試みている。


あくまでも、ゲームの中でのみ発揮できる運動能力とはいえ、充分、常軌を逸していると言えるだろう。


たとえ、みのりんが機動力特化のステータスに変更しても、同じ事はできまい。


「泣き言を言ってても雨は止まねぇんだよ! だったら殴るしかねぇだろ!」


「発想が野蛮すぎる!? もっと何か弱点を探すとかですね……」


「どのみち、んな所に隠れてたら始まらねぇけどな!」


そう言いつつも、流石に動きっぱなしで疲れたので、カナも柱の影に隠れて休憩する。


すると、今まで飛び交っていたレーザーがピタリと止み、辺りが静寂に包まれた。


「……あぁ? なんで急に止まったんだ?」


「……もしかしたら、あの人型兵器は視界の中で動く物を無差別に攻撃するのかもしれません。だから、視界に入らなければ攻撃されないんじゃ?」


「いやぁ、さすがに、それは()ぇだろ。そんな単純な相手なら、隠れながらチマチマ遠距離攻撃してるだけで倒せちまう。きっと、何か別の――って、おい、逃げろ!」


「へ? わぁぁぁっ!?」


カナの警告を受け、ラックが慌てて柱から飛び出す。


次の瞬間、西洋の神殿にありそうな立派な柱が粉々に砕け散った。


人型兵器が猛烈な勢いで突撃した結果だ。


「なるほどな。柱に隠れればレーザーを凌げるが、敵を見失ったら突撃を仕掛けてくんのか。考え無しに隠れてっと、あっという間に柱が無くなって追い詰められると」


「納得してないで助けてくださいぃぃぃ!」


ラックの絶叫を聞き流しつつ、カナは人型兵器の攻略法に考えを巡らせていた。

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