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幼女の、幼女による、幼女のための楽園(VRMMO)  作者: 雪月 桜
第1章 スタートダッシュ:CASEカナ

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宝の在処

「大ニュース! 大ニュースですよ! カナさん! みのりんさん!」


結局、これといったアイデアが浮かぶ事はなく、オープンカフェを後にした、みのりんとカナ。


そんな二人を商人ギルドで出迎えたラックは、なぜか満面の笑みを浮かべて興奮していた。


「あん? どうしたラック。そんな主人を見つけた子犬みたいなテンションで」


訝しげに応じるカナと、


「あー、その例え、分かりやすくて良いね~。それに可愛くてラックさんに似合ってるし」


無自覚に言葉のナイフを放つ、みのりん。


男にとって、【可愛い】は、褒め言葉にならない事が多いのだ。


「か、可愛いですか……。そうですか。僕は一応、男なんですが……」


少なくとも、ラックにとっては、あまり喜ばしい評価ではなかったようで、一転して落ち込んだ様子になる。


遠回しに‘‘男らしくない’’と言われた気分なのだろう。


心なしか、メガネも曇っているように見える。


「だったら、男らしく、堂々としてりゃあ良いんだよ。たとえ可愛いって褒められようが、胸を張れ。でないと、余計に舐められるぞ?」


シュッ、シュッとシャドーボクシングを披露しつつ、ラックに助言するカナ。


そんな主人(カナ)のアドバイスに、子犬(ラック)は感銘を受けたように頷いた。


「そ、そうですよね! カナさんみたいに堂々としてれば、男らしく見えますよね!」


「……おい、そりゃあ俺様が女らしくねぇって、ことか?」


「ひうっ!? す、すみません! そういう訳では!」


まさに、(カナ)に睨まれた(ラック)


体をカチコチに固くして、声を震わせる、その姿は、いかにも不憫で同情を誘うものだ。


しかし、唯一、助け船を出せる立場の、みのりんは一人、呑気に笑うばかり。


「あははははっ。自分のこと俺様とか、言ってるくせに~。それに、女の子らしくて可愛いって褒めたら、それはそれで照れるでしょ?」


「う、うるせー! 俺様はカッコイイとカワイイを両立したパーフェクトヒーローを目指してんだよ! それと褒められるのは、ちょっと、くすぐったいだけで、照れてる訳じゃねー!」


誰が見ても照れていると分かる赤面顔で、説得力のない否定を繰り返すカナ。


そんなカナに、みのりんは、うんうんと頷いて見せる。


「はいはい、分かってる、分かってる♪」


「ぜってぇ分かってねぇ! だって、ニヤニヤしてるし! なんなら、デュエルで白黒つけるか、ああん!?」


「それは、またの機会にね~。それで、ラックさん。大ニュースって、言ってたけど何かあったの?」


荒ぶるカナを後ろから抱きしめ、適当にあやしつつ、ラックに話を促す、みのりん。


そこで、ようやく本題を思い出したのか、ラックがハッとしたリアクションを見せた。


「そ、そうでした! 商人ギルドで長年、謎とされてきた宝の在処(ありか)が、ついに判明したんです!」


「宝……? って、なんの?」


「伝説の商人の遺産ですよ!」


以前、ラックが語った憧れの人物。


商人として大成功を収めただけでなく、第10階層を制覇して楽園に旅立ったと言われている、名も無き英雄。


そんな彼に繋がる手掛かりが発見されたのだと、ラックは興奮を抑えきれない様子で語った。

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