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幼女の、幼女による、幼女のための楽園(VRMMO)  作者: 雪月 桜
第1章 スタートダッシュ:CASEカナ

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50/80

あっさりした結末

今日からは投稿中のシリーズから、ランダムで一つ投稿します。

「はぁぁぁぁぁっ!? ベイドとの決闘に負けたぁ!?」


「テヘペロッ♪」


みのりんがベイドの元に押し掛けて、強引に決闘(デュエル)を申し込んだ翌日。


行きつけのオープンカフェで、ランチを摂りつつカナと雑談していた、みのりんは可愛く、ペロッと舌を出した。


相手が男だったら、そのキュートな仕草ひとつで誤魔化せたかもしれないが、生憎とカナは女の子である。


当然、みのりんの小細工は通用せず、カナのボルテージは高いままだ。


「テヘペロじゃねぇし!? 昨日、自信満々に決闘(デュエル)を取り付けて来たんじゃないのかよ!?」


ベイドと約束を交わした後、宿屋に戻った、みのりんは寝起きのカナに、事の経緯を話していた。


その時の情報を元に突っ込まれた、みのりんだが照れくさい気持ちを隠すことなく打ち明ける。


「いやぁ、ホント、お恥ずかしい話だよ~。さんざん相手を、その気にさせといて、この結果じゃあねぇ。ベイドさんも呆れてたし」


無意識に頬を掻きつつ、苦い笑みを浮かべる、みのりん。


そんな、みのりんに、カナも呆れた視線を送っていた。


「そもそも、どんな勝負内容だったんだ? 見られると気が散るとか言って、闘技場に入れて貰えなかったから、よく知らねぇんだけど」


「シンプルに一撃決着モードだよ?」


「ふーん、で? 手も足も出なかったのか? それとも惜しい所までは行ったのか?」


「うーん、どうなんだろ? スタート直後に全MP消費で魔導銃をぶっ(ぱな)して、それを防がれちゃったから降参したんだけど……。どう思う?」


「いや、アホかよ!? 一撃決着だからって思い切り良すぎんだろうが! え、なに、なんで、そんな戦法を選んだの!? バカなのか!?」


「むー! アホとかバカとか素手で戦闘してる人に言われたくないですぅ~」


「俺様は元から、そういうプレイスタイルだろ!? けど、みのりんの【ソレ】は何か違くね!? ……ふぅ、叫び過ぎて喉が痛い」


喉をさすりつつ、疲れた顔でジュースを飲み干すカナ。


幸い、それで、すぐに痛みは引いたらしく、カナの表情がスッキリしたものに変わった。


「ホント、VRなのに表現が細かいよね~」


「そこは、どうでも良い……。つーか、結局、なんで、そんな真似を?」


「せっかく、二次職の騎士(ナイト)と戦えるんだから、真っ向から力比べがしたくてね~。特に耐久力が高い職業だし」


「……なるほどな。それが表の理由か。んで、裏の理由は?」


カナの目付きが、熟練の刑事のように鋭くなる。


自分の直感を微塵も疑っていない様子だ。


適当な嘘や言い逃れは通用しないと判断して、みのりんは大人しく白旗を挙げた。


「……あー、やっぱりバレた?」


「あったりまえだろ。どんだけ付き合い長いと思ってんだ。確かに、みのりんは面白そうな事があれば、試さずにはいられない性格だけどよ。きちんとした目的があるのに、それを放り出して遊びに走る奴じゃねぇ」


「……そっか。そうだよね。裸の付き合い、長いもんね!」


「いかがわしい言い方すんな! 一緒に風呂に入ったことなんて数える程度だろうが! ……茶化してねぇで教えろよ」


カナの要求に応えるべく、みのりんは自分でも整理しきれていない思いを必死に伝えようと試みる。


「うーん、えっとね。なんか違うなぁと思って」


しかし、咄嗟に出てきたのは、そんな言葉だった。


「ふわっと、しすぎ」


案の定、ダメ出しを食らってしまう、みのりん。


なので、取り敢えず最初から順番に話していく事にする。


「あー、ほら。ベイドさんってさ、初めて会った時は、すごく嫌な感じだったでしょ?」


「ああ。というか、俺様は今でも嫌な印象しかねぇけど」


「まぁ、聞いてよ。……だけどね、昨日、決闘(デュエル)の申し込みをした時に思ったんだ。あー、この人、口は悪いけど、それは心に正直なだけなのかもって。あと、根は悪い人じゃなさそうだなって」


「……俺様は、その場にいた訳じゃねぇから何とも言えねぇけど。みのりんが言うなら、そうなのかもな」


納得しきれていない顔だが、ひとまず信用してくれた様子のカナ。


「それで、そんな相手に『勝負に勝ったから何でも答えろ』って要求するのは、なんか違うなぁって思ったの。ちゃんと、本人と仲良くなって、認めてもらって、信頼してもらってから聞くべきかな~って」


「……はぁ。なるほどな。みのりんらしいよ」


「じゃあ、なんで、ため息つくのさっ」


「呆れてるからだよ。自分から強引に勝負を吹っ掛けといて、‘‘なんか、違う’’で、あっさりと、リタイアしちまうんだから。案外、ベイドの野郎も気付いてたんじゃねぇの? それで、呆れてたんじゃね?」


「あー、そうかも。『時間がある時なら、また相手をしてやる』って言ってくれたし」


「……はぁ。とにかく、ラックに自信をつけさせる方法、何か考えねぇとな~」


それから、二人は昼食を平らげ、デザートを楽しみつつ、あれこれと意見を出し合ったのだった。

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