第42話 ぽんこのスキルといっしょ
「はい!本日も始まりました!『ぽんこのスキルといっしょ!』!お相手はぽんこです!」
ぽんこがハイテンションで叫ぶ。
「おいぽんこつ、なめてんのか」
ラセツが煽る。
『マスターのスキルは命名モンスターの俺達も影響を受ける。知っておくにこしたことはない』
アニが窘める。
「ぽんこちゃん説明上手よね」
シルヴァさんが褒める。
せっかくなので全員呼んだ、アニの言う通りスキルは幹部にも影響する。
ゴブリンの言葉しか話せないアニが、人間の言葉しか話せないラセツやシルヴァさんと会話できるのも、実は俺の持つ念話のおかげだ。
「はいはい!おしゃべりはほどほどにしてお勉強の時間ですよ!まずは……これ!」
「『ダンジョン構造変更レベル2』!」
「例の奴か」
「はい!こないだ皆さんが苦しめられた、敵がダンジョンにいる間にも構造変更ができるスキルです!」
「これは必須だな」
「そうね、最近ダンジョンが人気になっちゃって。いつもお客様がいるから森を広げられないのよね」
「お値段10万DP!お買い得です!」
「買おう」
「まいどあり!」
スキルを取得する。
「使用MPは1回で3000です!」
「全然足りてねぇな」
「ちなみにシルヴァさんのMPは?」
「私はMP3000ちょっとですわ」
「じゃあとりあえずシルヴァさんに任せるわ」
「はーい、かしこまりました」
いつまでもこうではいられないだろうが、別に俺が使う必要もない。
ダンジョン拡張はシルヴァさんに丸投げしよう。
『……さすがマスター、大胆というか、訳がわからないというか』
「ダンジョン乗っ取られるとか心配しねぇの?」
「任せられることは任せる主義だ。大体お前らが本気になったら俺なんてすぐ殺せるだろ」
「さてさて次はー?これ!『遠話』!念話の上位スキルです!遠くにいる人と念話ができます!対象は自分のダンジョンに属する者だけです!」
「いくらだ?」
「お値段100万DPです!お買い得です!」
「買えるか、んなもん」
そういえば、と思い出す。
MP消費スキル以外にもそのうち買おうと思ってたスキルはいくつかある、不眠が20万DP、感覚共有が100万DP。
これもそのうち欲しいリスト行きだな。
遠話があればチュウタを経由せずに戦場に直接指示が出せる。
諦めるには惜しい。
「次行きますよー。次はこれ!『身体強化(弱)』!MP100を使用して一時的に身体能力を1.1倍にするスキルです!」
「いらん、元が弱すぎる」
それにラセツが反応する。
「あ、それ俺使いたい」
「ぶぶー!このスキルはマスターしか使えません!ざーんねーん!ぷっぷっぷー!」
「おいこら、表出ろぽんこつ」
その後も、ぽんこのスキル教室は続いた。
いくつか有用なスキルは見つかったが、運用するMPの強化を含めると予算が足りない。
結局、情報があっても縛りプレイは続行らしい。
そうして、スキル取得は終わりにし、予定に戻る。
そう、身体強化だ。
「身体強化はとりあえず死ななきゃいい、10万からMPに1万使ったから、残り9万。HPと耐久と素早さだな。」
身体強化UIでざっくりと割り振っていく。
「ま、こんなもんか」
【ステータス】
・HP:1020/1020(+800)
・MP:100/100(+100)
()内は前回表示からの変動値
【残DP:312,041】
力やら耐久やら素早さやらは見れない、管理権限が上がったら見れるのかもしれないが。
「よくわからんな」
「HPは5倍です!マスターは5倍強くなりました!」
「あら、強い」
「そんなに単純じゃないだろ」
「よっしゃ、主。試しにケンカしようぜ!」
「模擬戦か。確かに、どの程度強化されたのかわかりやすいかもな」
「よし!こいや!ぶっ飛ばしてやんぜ!」
ラセツが金棒を構えて手招きしている。
それを横目にアニに声をかけた。
「アニ!適当にゴブリン用意してくれ、弱いのから強いのまで」
『了解』
ラセツがぷんすかしているが、誰が悪鬼なんかと模擬戦するか、大怪我するに決まってるだろ。




