第11話;元
翌日、ネーシャが帰ってきた。30ソアラと共に。車検が終わったらしい。
久しぶりにネーシャを見た。
やっぱりネーシャは、ふわふわしていた。
いつか、なんでネーシャがここにいるのか、聞きたいと思った。
でも、聞いちゃいけない気もした。運び屋の本性だろうか。
そして迎えた手紙の日。ついに、深夜二時。旧港湾区、廃倉庫E棟前。
今日はやけに、機械音、エンジン音、電子音、重低音が、響く夜だった。
集められたたくさんの走り屋たち。
ニコライの深い青のVAB、ネーシャの銀色交じりの白い30、ルシアンの済んだ青のBP5、ケインの真紅のA80、シホの海のような青のRPS13、
そして、シャルの銀のZ33。
男性が多い。でも女性もいる。
シャルよりも少し年下もいる。
シャルより年上もいる。
すごい改造された車もいる。
そこまで弄ってない外車もいる。
スポーツカーが多い。でもVIPセダンもある。
倉庫の電気が落ちる。喧騒に塗れる。
そして、プロジェクターだろうか、壁に映し出される。
狐面の男。おそらく、40か50代。
そして、ゲームの説明をされる(ここの場面周辺が結構重要)
6000万。シホが前話した金額を大きく超えた。
ここで勝てば、「公道の支配者」になれば、そのお金があれば、
まっとうに生きていける。フランドリカ公国で新しい人生を送れる。
そのための身分が買える。履歴が買える。
シャルロッテ.........次に呼ぶなら、シャーロットだろうか。
今思えば、正直シャーロットの方が好きだ。
.........いやいや、シャーロットってスペルが同じ。すぐにばれる。
...なんて考えてたら、目線を感じた。うすうす。バレてる。そんな気がした。
いくら裏社会とは言え、指名手配されている。もしもそれがばれたら、
チクられる。いや、懸賞金なんかが出てしまったら、
殺される.........かもしれない。
だから、6000万を取って、早いうちに、移住したい。
そしたら、残金はチームのメンバーに還元するか。どうしようか。(そんな感じで続く.........)
ガレージに帰った後、ネーシャが、あるウェブ記事を見せてくる。
緑色のカードを持った若い女性が「VEC、始まる」のキャッチコピーと共に並んだプロモーション写真が見出しに張られていた。
「ヴェルダニア・エクスプレス・カード」。何だろうか。
Verdania・Express・Card。略してVEC。今後、R1をはじめとするすべてのラーヴェンの都市高速ではこれしか使えなくなるらしい。
VECしか使えないとR2を走れない。VEC...おそらく政府データや身分証明書系とつながってるらしい。
自分は指名手配されてる身だ。仮に指名手配されてなくても、VECで登録はされたくない。
走り屋の身分が政府にバレるなんて、もってのほかだった。なんとかする方法はないのか。
そう悩みながら、寝落ちする。翌朝、倉庫街を歩く。唯一の散歩道。
ここならバレない。そこ以外はバレる。
廃工場の路地で不思議な明かりを見つける。そこに、昨日の会で見た知らない走り屋の顔ぶれと、ニコライの姿があった。




