05.図書室物語
自ら行動しない癖があるのは認めるけど、振り回されたいわけじゃない....。
成り行きと勢いで私は図書室の椅子に座っている。
そして他校通の図書室の放課後なら、用がない人は出て行けと常連に追い出される気がする。
ようするにそのぐらい私にとっては気まずいのだ。
ももこ「ふふん。統治下においた今!私を部長と呼ぶがいい!!」
部長「部長の座は譲らないよ」
?「君、子供ぽいって言われない?」
ももこ「身長110㎝を舐めてもらっちゃ困るよ」
何故か誇らしげそうにももこは部長たちにドヤッている。
私はというと、名簿から部活メンバーを確認中。
さも当たり前のように私の名前があって、さも当たり前かのようにももこが一年代理部長だった。
私「えーと、部長の名前は...」
夕木 深雪。もうひとりは、晩田 琴美。
珍しい苗字だなとなんとなく見つめてしまう。
めめ「部長ってみゆきって名前なんだ、へぇ」
私「...っ?!...ビックリシタ」
いつの間にかめめが私の手元を覗き込んでいた。
めめ「みゆきっ!その隣のやつだれ?」
めめは私の手元を見つめながら、そのまま質問を繰り出した。
ことみ「名簿観てるなら、自分で確認してくれよ...」
部長「ことみ...私の幼馴染だよ」
ことみ「ただの腐り縁だ」
幼馴染と腐り縁、似て似つかない表現だけれど
白い服とシミぐらい切っても切れない関係と聞いたことがある。
めめ「ふーん。で、部活ってなにしてるの?」
ことみ「その反応、元から私のことどうでもよかったんだろ」
部長「3年生が受験勉強に勤しむようになってからは、、特になにも」
ももこ「そんじゃ、その前は??」
テーブルに頭を横にしてぐったりしている部長にももこはズガズガと押し寄っていく。
具合悪いのとか心配しないのかな...?
部長「...ん。みんなで本読んでたかも」
ことみ「そこにある、資料は私たちが購入して寄贈したやつだったけか」
部長「うん。私のお気に入り」
ことみは、テーブルの反対端から見つめいる私に気づいたのか。
噂の部長お気に入りの歴史資料を渡してきた。
私「歴史....分からないんだけどなぁ...(小声)」
ももこ「本読んでるだけって、放課後の陰キャか」
部長「うん。放課後の陰キャだよ」
困り果てながらもふと振り返ると、悪気のない言葉の棘を部長は真剣に答えていた。
ももこ「文化部と言えど、もっと総合的にならないかね?」
部長「運動部と文化部を総合するのはダメだよ」
ももこ「でも、僕。本なんてじっとして読めないし...」
ことみ「今からでも遅くない。退部してくれ」
ももこ「えー、なんでぇ?」
ことみ「入学そうそう。1週間で窓ガラス5枚、箒2本壊しただろ」
昼休憩のときクラスメイトが5とか2とか数字のうわさ話をしてると思っていたがそれのことだったのか...。
私物のように振り回される私が壊されるのも時間の問題かも知れない。
めめ「私は、家庭科室を無断で使用してたら出禁になったなぁ~」
ももこ「非常ベルなったときもあったね~」
私「私が引っ越してくるまで何があったの...この学校」
正直、来るんじゃなかったと後悔し始めている。
引っ越しが仕方ないことだからどうしようもないけれど...。
部長「まぁ、ゆうて何もないから大丈夫」
私「本当になにもないのか怖いんだけど」
いつかとんでもないイベントに遭遇してしまう気がする。
例えるなら、修学旅行みたいな遠出したときに限って爆発事故に巻き込まれるような。
ももこ「秋は体育祭はあるよ」
私「イ、イベント違いかなぁ...」
めめ「で、部活内容どうするの?」
謎の空気を片手でいともたやすく破り捨てるように、めめが遮った。
私「そ..それなら。私、転校生だしこの辺を散策してみたいなぁ..。」
多分私から何か提案したほうが身のためだと思い、発言してしまう。
後からじわじわと土地勘がないのに、得体のしれない人々を連れて歩くのは怖いと思い始めるのはべ、別のお話?
めめ「おぉ。いいね、住宅街のほう行けばお店も多いし」
ももこ「今は旬だから田んぼのほう行ってを果物を少々」
ことみ「盗むんじゃないぞ..」
ももこ「ちゃんと、転売サイトに出すってぇ!」
ことみ「洒落にならないジョークはやめてくれ...」
最近の田舎は、農作物の盗難からの転売に悩まされているらしい。
毎年、夏から秋にかけてよくニュースで耳にする単語の一つだ。
めめ「とりあえず、駅前集合ってことで!」
ももこ「勝手に決められた!?」
めめ「いいじゃん。私は町中の方はくわしいし」
住宅街を離れて、町の中心部に行くことになってしまった。
引っ越してきたときに駅には立ち寄ったが、
目印になるようなものが少なくて驚くほど迷った記憶がある。
いつか克服しなくてはならないことだが、特徴的なビル一つもないのはひどいって。




