17.崖上物語
軽くスランプ気味です...すみません
部長の言われるままについて行くと、崖上までやってきていた。
そこには空にはみ出した一つの建物があった。
部長「景色を見るならここが打って付けなんだよね」
私「展望台みたいなものなのかな?」
足元に気をつけながら入り口まで近いた。
すると、奥から聞き覚えのある声色が聞こえてくる。
蝉や鈴虫ではなく人の声だ。
佐々木「綺麗な景色ね」
鈴木[そうだね。風が心地いい]
佐々木「確かに、、そよ風でいいわね..」
声に気が付いたのか、入り口前で立ち止まりこっそり覗こうとする者がいた。
誰とは言わないが例の二人と言ったところ。
私「何してるの」
ももこ「いいや、聞き馴染みの声がしたら隠れたくなるじゃん?」
部長「こういう観察日記っていいよね」
私「そ、そうなの?」
囁き声でなぜか会話する二人を横に、残った二人は堂々と中へ入って行くようだ。
めめ「先生たちじゃないですか、奇遇ですね」
鈴木[今日は、みなさん]
佐々木「あ、あなたたち早かったわね、、、」
動揺している、、?
何に動揺しているのか掴めないけれど、
二人だけの時間を壊してしまったのは申し訳ないとは思う。
ことみ「1時間以上かかちゃってますけどね」
鈴木[ところで、なぜ君たちがいるんだい?]
ももこ「あー、それは..」
隠れていたはずのももこが何を思ったのか飛び出してきた。
彼女の表情を見る限り、恋の妨害というやつなのかもしれない。
しかし、心理戦の如く彼女の言葉は佐々木先生によって際切られていった。
佐々木「喉が渇いたわ。鈴木さん、飲み物買ってきてくれない?」
鈴木[わかった。行ってくる]
なんの疑問も感じずに彼は、この場所から離れて行く。
よくよく考えるとこんな山中に飲み物が売ってるはずがない。多分、佐々木先生は鬼畜だ。
佐々木「ももこ。私の邪魔しないでくれるかしら?」
ももこ「先生こそ、僕の邪魔しないでくれますか?」
部長「何、喧嘩ぁー?」
佐々木「あなたとどんな関係があろうと鈴木さんは渡しませんからね」
ももこ「もらうわけじゃないよ?壊してあげるだけだから」
ことみ「こんなところで喧嘩しても何も生まないよ…」
最初聞いた時は微笑ましい恋だと思っていたのに、なぜこんなにトゲトゲしているのだろう...。
禁断の恋というのも考えものなのかもしれない。
私「そう言えば、先生ってデートするためについてきたんですか?」
恋とか私にはわからない。
それでもこの空気は変えるべきと感じた私は、話をずらすことにした。
佐々木「デートはもちろん。
先生になってからもう3年経つし、そろそろ株をあげようと思ってね」
めめ「景色がいい場所で清々しいほどの本音をよく言えた」
確かに、景色がとてもいい。
町とも言えないほどの小さな町並みと、それを挟むようにそびえ立つ山々が美しい。
騒がしくなければ見惚れてしまうほどに。
佐々木「世間の評価が良くければ、端くれの評価は気にしないからね〜」
私「先生ってこんなに性格悪かったの……?」
あの日を思い返して見ても、みんなから親しまれてたからこそすんなり同行を受け入れた。
けれども、今はまるで別人のよう...。
めめ「驚いてるかもしれないけど、昔からあの二人は犬猿の仲だから気にしないでね〜」
私「どういう関係なのかもうわからないや....」
あれからしばらくして、熱も冷めたのか静かになった。
ももこ「人としてどうなの上からの目線しか気にしないのは」
ことみ「生き方としては間違ってないんだろうけどね」
「私も両親の視線は気を使うことあるし」
ももこ「そういうものなのかなぁ」
私「こんなところでもやもやしてても仕方ないし、下ろ?」
気分が悪いままその場にとどまるのはよくないと
思っている私は山を下るように誘導することにした。
めめ「そうね。私も同意見かなぁ」
部長「ということらしいので先生先降りてますね」
そうしてその場を離れるのだった。




