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なにもないけど、それでいい  作者: YOI&ここね
1.地元町と少女物語
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10/23

10.子供染みた物語

ーーーももこの物語ーーー

蕎麦やから離れた道路の端でめめと僕は喧嘩をしていた。

ももこ「蕎麦屋はラーメン一択だろうが!!」

めめ「蕎麦屋でそば食べなくて何が蕎麦屋だ!」

ももこ「ラーメンも中華そばって言うだろ!」

そんなしょうもない喧嘩をしていた。

ももこ「この常識知らず!!!」

めめ「わからずや!!!」

この一言を最後に僕は、めめと反対方向に走って走って辺鄙な場所までやってきた。

そしてなんとなく、最寄りに合ったコンビニでおにぎりを買っているところ。

腹が立ったら満たしやるのが礼儀ってやつだ。

もちろん、自身に対して...だけど、な。

ももこ「適当に昆布と鮭を一つずつでいいか」

本当はお腹いっぱいなのを隠しながら、レジに並び店を出た。

ももこ「めめのやつ、そんなに地元が好きなら帰ればいいのに...」

そんな愚痴をつぶやきながら僕は、一人で歩いて帰ろうかと考えた。

きっと、あるくのことを2年の二人が見てくれるだろうと信じて、歩いている。

ももこ「大概さ、学区外なのになんでうちの学区に通ってるんだよ」

   「ほんと、意味わからないし..」

ぐちぐちグチグチ、言いながら帰路をたどって約2時間。

家の前に誰かがいるのが見えた。

どうせ宅急便だと思い、隠れて立ち去るのを待っていたけれど一行に立ち去らない。

ももこ「はぁ、ササっといってくれないかな...。今は人に目付けられたくないんだが...」

そう言葉を溢してしまった時、聞かれてしまったみたい。

家の前にいた人物は僕の方に歩み寄りながら、声をかけてきた。

?「やっと帰ってきた。もう夕日が見える時間だよ」

その声は.....以外にも最近知った声だとわかった。


ももこ「あ、非文化県民じゃねぇーか!!」

ことみ「悪かったな、炒飯で!!!」

待ち伏せされてたなら仕方ないと、家の庭に座り込んだ。

家の鍵は持ってないし、親もまだ出かけているみたいだ。

ももこ「なんの、用」

ことみ「喧嘩したままじゃ気まずいだろうなって」

ももこ「余計なお世話だ」

同級生ならまだしも、

何の絡みもなかった上級生がちょっかい掛けてくる理由が全く分からない。

学区内じゃ、僕が問題児なのは知れてるから尚更だ。

ことみ「おかしな話してもいい?」

ももこ「なんだよ...」

ことみ「実は、私とみゆきって未だに仲直りしてないんだ」

ももこ「はぁ?」

それとこれに、何の関係があるのか全く分からない。

他人の事情を押し付けてくるなと叫びたくなる。

ことみ「それがさぁ。3年前に餅で喧嘩しちゃって」

   「納豆にするかぁ、味噌にするかぁ、それともワラビにするかぁって」

ももこ「ワラビはおかしいだろ」

ことみ「そうかな?」

ワラビの餅ではなく、ワラビと餅。

ワラビは好きだが、ワラビと餅を一緒に食べる発想は流石にない..。

それでも、想像すると納豆とは別の惜しさがあると感じてしまう。

ことみ「それでね。ワラビと餅あうかなってみゆきに聞いたんだよ」

   「そしたら、私は納豆餅で十分て言い張るんだよ?」

ももこ「僕も、冷蔵庫事情で納豆だな...」

ことみ「いいや、ここはワラビで餅を食べてみるべきだ」

   「そういったのに聞き入れてもらえずに、喧嘩別れしたんだよ」

しょうもないを越えて、大人染みた子供の発想。

どうして、自分一人で挑戦しようと思わないのだろうか。

僕なら、休まず学校から家まで2.5km走には挑戦するのに。

ことみ「次の日はなぜか、普通に会話したんだけどね」

...多分それ、喧嘩した気になったの自分だけのパターン。

ももこ「結局、それがどうしたんだ」

ことみ「喧嘩して、仲直りしなくても大丈夫だよって話」


ももこ「それは無理だよ...。僕が壊してしまったんだから」

ことみ「壊した...?」

小さいころから、何でも壊すのがこの僕だ。

年上のいたずらも、大事な遊具の部品も、友達との縁すらも壊してしまうのが僕だ。

そんな僕に残された、古から残る友達すらも今日壊した。

ももこ「噂、聞いたことない?」

   「五つも離れた年上のいたずらを本気で庇って、やり返してやった子供の話」

ことみ「聞いたことない...かな」

聞いたことないほうが普通。

公園に残された怪我した少女と血を被った少女がいたら、世間はどっちを味方につけるのか。

ただ、それだけのお話に過ぎないのだから。

ももこ「そやぁ、壊すことで有名な僕が悪者扱いだったからな」

ことみ「...そうか」

ももこ「いつものことだよ」

手に持っていた袋から一つおにぎりを出して頬張った。

もう一つのおにぎりを黙ってことみに渡して、僕は散歩しようと立ち上がった。

ももこ「悪い、散歩してくる。壊したものは治らないのは、当たり前だから...」

みこと「壊したことを壊そうとは思わないの...?」

ももこ「....。なに、子供みたいな発想してんだ」

少し押し黙ってしまったが、無理なものは無理だ。

いくら僕でも、無理だとわかり切った挑戦はしない。

みこと「壊したという発想を壊そうって話」

ももこ「だからなんだよ」

みこと「大事な物だったからこそ、真剣に喧嘩したんでしょ?」

   「だから明日、何もなかったように話せば大丈夫だって」

   「私が保証するよ」

何の根拠もない子供ぽい説得。

そんな説得に僕は、どう反応すればいいのかわからない。

それでも、どこかに仕舞った固定概念から解き放たれた気がする。

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