閑話 技術屋の逆襲
浅井君が社長室を飛び出していった直後。
社長は即座に受話器を置き、隣に立つ専務へと鋭い視線を向けた。
「……専務。予定を早めるぞ。常務、全部長を第一会議室へ集めろ。五分後だ」
「承知いたしました、社長。既に法務部と広報部には待機を命じております」
専務のその一言に、社長は重々しく頷いた。
二人の足音は、急成長を遂げた大手企業の威信を背負うように、静まり返った廊下に硬く響き渡った。
―― 第一会議室 ――
急な呼び出しに困惑の表情を浮かべる部長たちだったが、上座に座る社長の面持ちを見た瞬間、室内の空気は一瞬で凍りついた。
「緊急会議を始める。議題は一つ、貝村興産に対する最終的な制裁措置の執行についてだ」
社長の開会宣言が冷たく響く。その言葉が終わるか終わらないかのうちに、営業担当の部長が身を乗り出した。
「社長、制裁とおっしゃいますが……! あちらは地元神戸でも一定の影響力を持つ企業です。あまりに露骨な攻撃は、我が社の外聞を損ねる恐れがあるのでは?」
営業部長は、自身の喉を鳴らして言葉を継ぐ。
「業界内での『強者の横暴』と取られかねません。慎重な対応を具申します!」
必死に訴える営業部長の懸念を、専務が冷然たる声で一蹴した。
「横暴だと? 部長、君は報告書を精査しての発言か? 既に我が社の至宝である浅井君に対して、あの一族がどれほど卑劣な侵害を繰り返してきたか、その重みを理解しているのか?」
専務は手元の操作盤を叩いた。
天井に据え付けられた高輝度プロジェクターが駆動音を上げ、正面の大型スクリーンに映像を投影し始める。
「……これは、何ですかな? どこかの学校のようですが」
開発担当の部長が、怪訝そうにスクリーンを指差した。
映し出されたのは、北野の異人館街に近い学校の門前で、一人の若い女が刃物を振り回し、警官たちに取り押さえられる衝撃的な映像だった。
居合わせた生徒が隠し撮りしたものであろうその記録は、女の絶叫と周囲の悲鳴をまざまざと伝えていた。
「この女は貝村興産の令嬢、貝村浩美だ。数分前、殺人未遂の現行犯で逮捕された」
専務の淡々とした説明に、会議室が騒然となる。
「貝村の……娘が? しかし、それが我が社と何の関係が……」
困惑する重役たちを、専務の鋭い声が射抜く。
「この女が襲おうとした標的は、浅井君が人生を懸けて守ろうとした女性だ。いいか、あの一族は、我が社の技術の根幹を担う浅井君の心を折るために、その最愛の人間を物理的に抹殺しようとしたのだ」
専務は、一度言葉を切り、また話し始めた。
「彼の精神的安寧を脅かすことは、我が社の基幹システム。すなわち、この会社の心臓部を破壊しようとする試みと同義だ。これを看過すれば、それこそ業界における我が社の信義は地に堕ちるぞ」
青白い光に照らされた重役たちに向け、社長が身を乗り出した。
「もはやこれは、一企業の不祥事ではない。社会に対する明白な挑戦だ。部長、これでもまだ『横暴』などという言葉を口にするのか?」
社長の言葉に、今度は開発担当の部長が眉をひそめた。
「しかし、社長。貝村興産そのものは我が社のシステムを導入しておりません。直接的なラインの停止による制裁が不可能な以上、どのように彼らを技術的に封じ込めるおつもりですか」
「直接の契約がないからこそ、外堀から埋めるのだ。我が社がこれほどの地位を築けたのは、技術を尊び、人を大切にしてきたからだ。あの一族のように、人間を使い捨ての駒としか見ない腐敗した企業体質、それをこの業界から排除することこそが、先行企業としての真の使命ではないのか」
社長はさらに力を込め、重役たちを順に見つめた。
「貝村興産の事業を支えている周辺企業や下請け、システム基盤を担う業者をすべて洗い出せ。彼らに対し、我が社が提供する最新鋭のシステムへの乗り換え案を破格の条件で提示するのだ」
社長の言葉は熱を帯びていく。
「これからは我が社が彼らの面倒を見る。奴らに協力するメリットを完全に消滅させろ。彼らが貝村との取引を打ち切ることで生じる違約金や補填も、すべて我が社が肩代わりして構わん。札束で横面を張ってでも、奴らを業界から完全に孤立させるのだ。人命や尊厳を天秤にかけるような真似は、我が社の理念にはない!」
会議室は、重役たちの激しい議論で熱を帯び、各所から意見が飛び交った。
「法的に勝てたとしても、銀行団との調整はどうするつもりです?」
「メインバンクの頭取とは既に話をつけてある!」
専務が間髪入れずに応じる中、政財界とのパイプを持つ渉外担当の部長が、苦渋に満ちた表情で口を開いた。
「お待ちください、社長! 貝村は政界にも深く根を張っています。地元選出の有力議員や、中央の官房にも顔が利く男です。不用意に潰せば、我々の今後の公共案件や特区申請に、見えない力が働く恐れがあります。これは技術や経営判断だけで解決できる問題ではありません。泥沼の政争に巻き込まれるリスクを、お考えください!」
重い沈黙が流れる中、専務が鼻で笑った。
「政界の圧力、か。部長、君は少し時代を読み違えているのではないか。今の世論が何を求めているか、その肌で感じていないのか」
専務はスクリーンの惨状を再び指し示した。
「白昼堂々、刃物を振り回す狂行を働いた娘を持つ一族だぞ。そんな男の肩を持てば、その政治家こそが次の選挙で有権者の審判を受けることになる。自らの地位を危うくしてまで、泥舟に乗る愚か者がいると思うか?」
専務は冷ややかな笑みを浮かべ、さらに追い討ちをかけた。
「それとも、我が社の顧問弁護士団が握っている『不適切な陳情の記録』を、しかるべき場所へ届けてやろうか? どちらが先に破滅するか、試してみるのも一興だが、君はどう思う」
「……そこまで掴んでおいでなのですか……」
部長の戦慄した問いに、社長が、騒然とする重役たちを鎮めるように深く頷いた。
「議論は尽くしたな。奴らの背後にある『力』ごと、すべてを飲み込んでやる。これより、貝村興産を法的に、および経済的に完全に解体する。法務部長、顧問弁護士団を即座に動かせ。令嬢の凶行を、法人としての管理責任にまで遡及させて追求しろ」
社長の言葉は、もはや揺るぎない命令だった。
「営業部長、貝村に資材やシステムを提供している業者すべてに、我が社への乗り換えを打診せよ。彼らと手を切る決断を下した企業には、最大限の優遇措置を約束する」
社長はさらに、広報と渉外を鋭く見据えた。
「そして、広報、渉外。ここからは最優先事項だ。いいか、”瀬戸詩織”という名は、いかなる媒体、いかなる公式発表においても、一文字たりとも世に出すな」
社長の声が一段と低く、鋭くなった。
「彼女は被害者だ。だが、これからの人生を穏やかに歩む権利がある。好奇の目に晒されるような事態は、我が社の総力を挙げて阻止しろ」
社長は、広報、渉外の二人の役員から視線を外さない。
「SNSの投稿はすべて監視し、彼女の特定につながる情報は即座に削除要請を出せ。メディア各社に対しても、実名報道は一切禁じると釘を刺せ。もし、どこかの社が不用意に彼女の名を載せてみろ。その瞬間、我が社との一切の広告契約、および情報提供を断絶すると脅して構わん。彼女の平穏こそが、浅井君の力になるのだ。彼女を護り抜くこと、これがこの作戦の絶対条件であると心得よ」
社長の妥協なき、しかし揺るぎない正義に基づいた差配に、反対していた重役たちも最後にはその気迫に押され、深く頷いた。
「この事実を正しく、かつ迅速に公表しろ。狂った悪意から最前線で彼女を護り抜き、一歩も引かずに暴挙を阻止した学校側の警備員の方々の功績を最大限に称えよ」
「……どのように、称えるおつもりですか」
広報部長の問いに対し、社長は迷いなく、淀みのない口調で命じた。
「まずは我が社の公式名義で、彼らが所属する警備会社、および学校法人に対し、感謝状と破格の報奨金を送れ。怪我を負った方には、我が社が提携する最高の医療機関での治療と、完治までの休業補償を全額肩代わりする。これは慈善事業ではない。プロの献身によって最悪の事態が阻まれたことへの正当な対価だ」
そのあまりに破格で、迅速すぎる支援策。会議室の隅で控えていた広報担当の役員が、困惑を隠しきれずにおずおずと手を挙げた。
「あの……社長。お言葉ですが、一点だけ確認させてください。本来、学校の警備は我々の管轄外です。一企業が、直接的な接点のない教育機関の警備員に対し、これほど一生を保障するような支援を行うとなれば、世間からは『なぜそんなことをするのか』と不自然に勘繰られる恐れがありますが……」
その懸念に対し、社長は視線すら動かさず、デスクに置かれた資料を鋭い指先で弾いた。
「理由は三つある。一つは、神戸の地で事業を営む企業としての責任だ。白昼堂々、刃物を振り回すような狂行がこの街で行われ、それが未然に防がれた。もし防げていなければ、神戸の治安とブランドは失墜していただろう。地元の安定を願う一企業として、その防波堤となった者に報いるのは当然の論理だ。少し強引に聞こえるかもしれんが、この『地元愛』こそが世間を納得させる一番の武器になる」
社長は椅子に深く背を預け、その眼光を一段と鋭くさせた。
「二つ目は、メッセージ性だ。この過剰とも言える支援を打ち出せばどうなる? 世間の視線は『ここまでさせるほど、貝村興産のしでかしたことは街の平和を脅かす凶悪なものだったのか』という一点に集約される。私の怒りの総量を、報奨金の積み増しによって可視化するのだ」
三つ目は……と言いかけて、社長は僅かに言葉を切った。その険しい表情の裏に、どこか個人的な守るべきものへの誓いのような、静かな光が宿った。
「……最後は、私個人の矜持の問題だ。現場で身を挺した盾が、ボロボロのまま使い捨てられることを、私は断固として許さない。たとえ我が社の直接的な預かり知らぬ場所であっても、勇気を持って暴挙を阻止した者が報われない社会など、私は認めない。彼らを一介の警備員ではなく、この街の平和を護った真の英雄として祭り上げろ。そうすることで、貝村の卑劣さがより際立つことになる」
社長は力強くデスクを叩いた。
「彼らの勇気ある行動こそが、最悪の事態を防いだのだ。我が社は彼らへの支援を永久に惜しまない。我が社が何を守り、何を断固として許さないのか。その姿勢を世間に知らしめるのだ。政治屋が口を挟む暇など与えるな。被害者の尊厳と、その平穏な日常を護り抜くこと。それがこの作戦の絶対条件だ」
部屋を支配する圧倒的な熱量に、先ほどまで異論を挟もうとしていた役員たちも、ただ呑まれたように深く頭を下げるしかなかった。
会議が終わり、静まり返った会議室で、専務が手元のメモを整理しながら小さく呟いた。
「浅井君。君は今、彼女を抱きしめている頃だろうな」
社長は窓の外、落日に染まる神戸の街並みに視線を投げたまま、短く「当然だ」と返した。
新たな秩序の始まりを告げるように、街の灯が一つ、また一つと灯り始めていた。
◆◆◆◆◆
この異例とも言える企業支援と、警備員たちの勇猛な行動が報じられると、ネット上や神戸の街は大きな反響に包まれた。
【神戸ローカルニュース 特別報道】
「続いてのニュースです。昨日、神戸市中央区の私立芸術高校正門前で発生した刃物による襲撃未遂事件です。現場で身を挺して犯人を制圧し、生徒たちを護り抜いた警備員の方々の勇気ある行動に対し、本日、地元神戸に拠点を置く大手企業から、極めて異例とも言える大規模な支援が発表されました」
画面に、怪我を負いながらも毅然と対応した警備員の写真や学校の外観が映し出される。
「支援を表明したのは、神戸の街と共に歩むことを理念とするIT関連の大手企業です。同社は、今回最前線で凶行を阻止した警備員の方々に対し、『神戸の平穏を護り抜いた真の英雄である』として、所属する警備会社へ巨額の報奨金を贈呈することを明らかにしました」
「また、犯人の刃物によって腕を切りつけられる怪我を負った隊員に対しては、同社が提携する国内最高峰の医療機関への転院、および完治までの休業補償を全額肩代わりするという、正に破格の支援内容となっています。今回の決定について、企業の担当者は『神戸のブランドと治安を護る防波堤となったプロフェッショナルに、正当な対価を支払うのは、地元企業としての社会的責任である』と、強い決意を語っています」
再び、スタジオの映像に戻る。
「この電撃的な支援に対し、学校側は『多大なる厚意に深く感謝し、護り抜かれた平穏な教育環境を今後も維持していく』とのコメントを発表しています。一方、このニュースを受けた市民からは、『正しい行動をした者が報われるのは素晴らしい』といった賞賛の声が相次いでおり、事件に対する憤りを上回るほどの温かな感動が広がっています。次のニュースは……」
――――
【警備会社:支社の応接室にて】
神戸市内に拠点を置く警備会社の支社長は、目の前に置かれた目録を二度、三度と見直した。デスクを挟んで座る副支社長もまた、信じがたいといった様子で首を振っている。そこには、今回の暴挙を阻止した隊員たちに対する手厚い支援に加え、警備会社そのものへ送られた、目を疑うような額の報奨金が記されていた。
「……我が社に届けられたこの報奨金だけで、家が一軒建つのではないか、これは」
副支社長の震える声に、支社長は重々しく頷いた。現場で刃物に立ち向かった隊員は、幸いにも腕の裂傷で済んだが、一歩間違えば命に関わっていたはずだ。そこへ、神戸に根を張る大手企業から『社会的責任』を掲げた公式な申し出があった。
怪我を負った隊員に対しては、提供された最高峰の医療機関での治療と、完治までの休業補償をすべて肩代わりするという申し出がなされている。一方で、会社に届けられたこの破格の対価は、プロの仕事を完遂した組織への最大限の敬意の表れだった。
「先方の担当者はこう言っていた。『神戸の平穏を護る防波堤となった者に、正当な対価を支払うのは当然だ』と。少し強引な気もするがな」
支社長は背筋を伸ばし、隊員のケアと組織としての対応を即座に指示した。
「我が社の隊員を一介の警備員としてではなく、街を護った英雄として祭り上げるという。異論はない。彼らの献身が、これほどまでに高く評価されたことは今までになかったことだ」
――――
【学校法人:校長室の静寂】
同じ頃、私立芸術高校の校長室でも、老齢の校長が震える手で感謝状を広げていた。学校法人宛に届いたのは、今回の事件を未然に防いだ警備体制への称賛と、教育環境の維持を支援するための莫大な寄付の申し出だった。
「……あの大手企業が、なぜ我が校にこれほどの支援を?」
教頭の問いに、校長は窓の外、普段通りの放課後を過ごす生徒たちの姿を静かに見つめた。
「彼らは『神戸のブランドと治安を護るため』と言い切っている。もし校門前で惨劇が起きていれば、この街の教育への信頼は地に堕ちていた。それを防いだ功績を称えたい……というのが彼らの考え方だ」
校長には分かっていた。これほど迅速で、かつ一切の妥協がない支援の裏には、表沙汰にできないほど強い『怒り』と、それを上回る『守護への意志』が隠されていることを。だが、あえて深くは追求しない。
「彼らの厚意をありがたく受け取ろう。そして、命懸けで生徒たちを護ってくれた警備員の方々へ、最大限の敬意を払う。それが今、我々にできる最善のことだ」
――――
【競合他社:震撼する役員会議】
一方、神戸に拠点を置く他企業の幹部たちは、この電撃的なニュースに「やられた」と苦虫を噛み潰したような表情を浮かべていた。
「……また、あの企業か。出し抜かれたな」
ある中堅IT企業の役員は、タブレットに映る『警備員への破格の報奨金』のニュースを叩きつけた。
「地元貢献という名分で、これほど鮮やかに世論を味方につけるとはな。我々が同じことをしようとしても、『便乗だ』と叩かれるのがオチだ。あちらは事件発生から支援の決定までが早すぎる。まるで、こうなることを見越していたかのようだ」
別の建設会社幹部も、重苦しく息を吐く。
「神戸の治安を護るか……。そんな大義名分を先に掲げられては、我々が予定していた慈善活動もすべて霞んでしまう。完全に『街の守護者』としての地位を独占されたわけだ。金で横面を張るような真似に見えて、その実、最も高潔な立ち位置を奪っていきおった」
経営者たちの間には、賞賛を上回るほどの敗北感が漂っていた。
――――
【世間の声:ネット掲示板】
<神戸の不審者撃退事件、報奨金と貝村興産の末路を語るスレ>
1 名前:名無しの神戸っ子
例の私立美術高校の正門で起きた刃物女事件。
警備員を支援した地元企業の男気が凄すぎる件について。
あと、犯人の実家である貝村興産が本格的に終わった件。
2 名前:名無しの神戸っ子
一企業が「地元愛」だけで警備会社に巨額の報奨金って、現代の武士かよ。
男気ありすぎて震えるわ。
3 名前:名無しの神戸っ子
あの警備員さん、マジでヒーロー。
腕を斬られても一歩も引かなかったんだろ?
その勇気に即座に反応して、会社ごと支援に回った地元企業の計らいが粋すぎる。
4 名前:名無しの神戸っ子
これぞ神戸の企業の矜持ってやつだな
5 名前:名無しの神戸っ子
正直、学校の門番なんて形だけだと思ってたわ。
あそこまでプロフェッショナルな仕事を見せられたら、親としては安心して子供を通わせられる。
支援を決めた企業の「神戸を護る」って言葉、本気を感じる。
6 名前:名無しの神戸っ子
>>5
犯人の家系、地元じゃ有名だったけど今回の件でトドメ刺されたな。
これだけ警備員が英雄として祭り上げられれば、卑劣な犯行の醜さが際立つ。
もし支援した企業がそこまで計算して動いてたとしたら、相当なキレ者がバックにいるぞ。
7 名前:名無しの神戸っ子
っていうか貝村興産の令嬢、白昼堂々に刃物振り回すとか正気かよ。
一族揃って腐りきってるって噂は絶えなかったが、完全に化けの皮が剥がれた。
8 名前:名無しの神戸っ子
娘が殺人未遂で、親の会社は下請けいじめの常習犯だろ?
地元の恥さらしもいいところ。
こんな反社紛いの企業、さっさと神戸から叩き出せ。
9 名前:名無しの神戸っ子
速報:貝村興産、内定辞退が相次いでるらしい。
10 名前:名無しの神戸っ子
>>9
当然すぎるw
あんな事件起こした奴の親の会社に、未来なんてあるわけない。
入社したら一生「あの貝村の人」って目で見られるんだぞ? 地獄だろ。
11 名前:名無しの神戸っ子
今の就活生は賢いからな。
看板に泥を塗るどころか、看板そのものが泥だったとバレたわけだし。
内定蹴って正解。あんな泥舟、いつ沈むか分かったもんじゃない。
12 名前:名無しの神戸っ子
街の口コミ掲示板でも話題になってたな。
「最近は暗いニュースばかりだったけど、正しいことをした人が報われる話は胸が熱くなる」ってさ。
警備員さん、しっかり静養してほしい。
13 名前:名無しの神戸っ子
あの大手企業、接点もない学校にこれだけの寄付って凄まじい決断力だよな。
結果として誰も不幸になっていないのが最高にスカッとする。
これこそが、俺たちの知ってる神戸の誇りだわ。
――――
見えざる巨大な守護の意志は、世論という力強い追い風を味方につけ、大切な存在の平穏を脅かそうとした悪意を、完膚なきまでに叩き潰そうとしていた。
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