✒ 恋文に呪いを込めて♥ 6
──*──*──*── 第1皇女の自室
キノコン(B)の笠から出て来たオレに姫様が駆け寄って来た。
孳の安否を心配する顔だ。
第1皇女:姫様
「 磨絽っ!!
孳は無事かの??
早く孳を寝かせるのじゃ 」
厳蒔磨絽
「 姫様…………孳は…… 」
獅聖幻夢
「 第2皇子については私から御伝え致します 」
第1皇女:姫様
「 獅聖幻夢殿…… 」
幻夢さんはオレの為に淡々と実際に目撃した事を嘘偽りなく正確に話してくれた。
包み隠さず正確に話す事が正しい事とは限らない場合が有るけど、長生きしてしいる幻夢さんは完全に異形化している側だ。
異母弟や実子を心配する家族達をおもんばかる様な発言の期待は出来ないと思う。
何せ幻夢さんはセロ寄りだから──。
幻夢さんからの話を聞いた姫様の表情は曇っていた。
第1皇子は床に両膝を付いた状態で愕然としている。
帝は孳の実母──後妻に迎えた重蕊が、[ 内裏 ]を襲った敵の仲間で、既に[ 内裏 ]から逃亡している事を知って、言葉を失っている様だ。
もしかしたら、後妻の重蕊が仲間の式妖魔を[ 内裏 ]へ手引きしたかも知れない──という不安が出て来たし、姫様に対する呪詛事件の黒幕も後妻の重蕊なんじゃないか──っていう疑いが生まれつつある。
後妻の重蕊が式妖魔で、[ 内裏 ]に入り込んでスパイをしていた(?)って事が、仮に事実かも知れないとしてもだ──、姫様を狙った悪質な呪詛事件の黒幕とは限らない訳で──。
式妖魔が関わってなくて、人間が起こした人災って可能性も捨てきれない。
この場にセロが居たなら、姫様を狙った悪質な呪詛事件も式妖魔の仕業だと嘘っぱち発言をして、在らぬ罪を式妖魔に擦り付けて黒幕にしてしまうかも知れないけど──。
いや、確実に捏造するだろうな、セロだし!
此処にセロが居なくて良かったのかも知れない──かな??
獅聖幻夢
「 [ 内裏 ]は戦場となるでしょう。
一時的に《 獅聖邸 》へ避難して頂きます。
宜しいですね、帝,第1皇子様,第1皇女様── 」
幻夢さんは3人に有無を言わせない口調だ。
特級呪靈を “ 式神 ” だと偽って、大量に召喚している陰陽師に意見をして、逆らう様な勇気は出せないだろうな。
可愛い癒し系のキノコンと恐ろしくて不気味な特級呪靈が協力して怪異を倒している。
そんなおかしくて異常な光景を目の当たりにしているんだから、戦う術を持たず、守られる立場の弱い3人には、静かに頷く事しか出来ないだろう。
早い話が、足手まといでしかない邪魔者達を他所へ追いやりたいだけなんだよな。
ミニマムキーノに促されて、帝,第1皇子,姫様は、キノコンの笠の中へ入る。
《 獅聖邸 》に避難した後は、ミニマムキーノとキノコン達が帝,第1皇子,姫様の世話をしてくれる事だろう。
キギナと顔を合わせなきゃ良いけどな。
幻夢さんと一緒に帝,第1皇子,姫様を見送った後、キノコン達に怪我の手当てを受けている武士達の様子が視界に入る。
武士達の避難も考えないといけない。
幻夢さんは武士達も《 獅聖邸 》へ避難させる気かな?
マオ:厳蒔磨絽
「 幻夢さん、手当てをしてる武士達も《 獅聖邸 》へ避難させるの? 」
獅聖幻夢
「 場所を変えて話しましょう 」
マオ:厳蒔磨絽
「 え?
うん…… 」
幻夢さんに促されて、場所を移動する事になった。
──*──*──*── とある部屋
マオ:厳蒔磨絽
「 幻夢さん、何で場所を変える必要があるの? 」
獅聖幻夢
「 武士達には聞かせられないからですね 」
マオ:厳蒔磨絽
「 何で? 」
獅聖幻夢
「 武士達には呪靈を特級呪靈へクラスチェンジさせる為の贄となってもらいます 」
マオ:厳蒔磨絽
「 ……………………は?? 」
幻夢さんは爽やかな笑顔でとんでもない事を言い放つ。
マオ:厳蒔磨絽
「 …………呪靈を特級呪靈にクラスチェンジさせる為の贄?? 」
獅聖幻夢
「 はい♪
武士達を犠牲にし呪靈を特級呪靈へと変えます。
現在、出ている特級呪靈の数では足りないのです。
故に儀式を行い呪靈を特級呪靈へとクラスチェンジさせるのです 」
微塵の悪びれさも無く、幻夢さんは教えてくれる。
マオ:厳蒔磨絽
「 えと……呪靈を特級呪靈に変えたら、呪靈が居なくなるんじゃないの??
それは…………良いの? 」
獅聖幻夢
「 呪靈の心配をしてくれるのですか?
有り難う御座います、マオ殿(////)
ですが、心配は無用です。
贄に使わなかった武士達を呪靈に変えます。
呪靈の補充は十分に出来ます 」
マオ:厳蒔磨絽
「 そう…なんだ…… 」
獅聖幻夢
「 新鮮な武士達の死体は既に回収して有ります。
直ぐに儀式を始めますね 」
マオ:厳蒔磨絽
「 オレは何をしてたら良いのかな? 」
獅聖幻夢
「 儀式には多少時間が掛かります。
マオ殿は暫く、休んでいてください。
食事も未だでしょう 」
マオ:厳蒔磨絽
「 う…うん…… 」
キノコン
「 お食事と寝床の準備をしますエリ 」
マオ:厳蒔磨絽
「 うぉっ!?
キノコン、何時の間に! 」
キノコン
「 キノコンは何時でも何処でもマオ様の傍に居ますエリ 」
マオ:厳蒔磨絽
「 お…おぅ…… 」
幻夢さんは儀式とやらをする為に、部屋から出て行った。
部屋に残されたオレの為にキノコンが甲斐甲斐しく世話を焼いてくれる。
部屋の外では何が起きているんだろうか。
外の音が一切聞こえて来ない。
地面に転がっている武士の死体だけじゃなく、キノコン達から怪我の手当てを受けている武士達も共に犠牲となってるんだろうか??
外では一体どんな地獄絵図が繰り広げられているんだろう……。
オレには想像も付かないな。




