✒ 恋文に呪いを込めて♥ 3
──*──*──*── 貴族院
帝の住まいである《 内裏 》から出ると、シュンシュンは転移陣を使い、オレを《 獅聖邸 》へ送ってくれた。
シュンシュンは《 獅聖邸 》には入らず、[ 西門 ]の前で召喚した式神の背中に乗って去って行った。
──*──*──*── 獅聖邸
シュンシュンを見送った後、[ 西門 ]を通り、《 獅聖邸 》の敷地内へ入る。
セロが居れば、セロに相談をするんだけど、生憎セロは居ない。
セロに相談する代わりに、オレの保護者を任されている幻夢さん,弓弦さんを探す事にした。
本来はオレの方が幻夢さん,弓弦さんよりも年長者だから、保護者なんて必要ないんだけどな!!
大人に見えない童顔と身長の低さが恨めしい。
[ 西中門 ]を通って[ 西対 ]へ向かう。
弓弦さんを探したけど、[ 西対 ]の中には弓弦さんの姿は無かった。
2人の事だから、囲碁でもしてるのかな?
オレは幻夢さんの[ 寝殿 ]に向かう事にした。
──*──*──*── 幻夢の寝殿
幻夢さんの[ 寝殿 ]に着く。
[ 寝殿 ]の中を覗いてみると、幻夢さん,弓弦さんが向き合って囲碁をしていた。
キノコンは棋譜の記録をしてるんだろう。
入り難いな……。
シュンシュンやキギナは自己中の塊だから遠慮せず、ズカズカと入って話し掛けるんだろうけど──、オレの辞書にはちゃんと “ 遠慮 ” って言葉が有る。
だから、このまま2人元へ行くのは “ 気が進まない ” と言うか──、“ 気が乗らない ” と言うか──、2人の対局を邪魔したら明らかに失礼だよな?
さて、どうしたもんかな──。
なんて事を1人で悶々と考えていたら、声を掛けられた。
[ 中庭 ]で楽しそうに遊んでるキノコン達だ。
キャッキャッして遊んでるキノコン達、マジで可愛いなぁ~~♥️
キノコン:A
「 マオ様、どうされましたエリ? 」
キノコン:B
「 一緒に遊ぶエリ~~ 」
キノコン:C
「 剣術の相手しますエリ? 」
3体のキノコンは遊びを中断して、態々オレに声を掛けてくれたんだ。
マオ:厳蒔磨絽
「 声、掛けてくれて有り難な。
誘ってくれて有り難な。
その前に幻夢さん,弓弦さんに相談しないといけない事が有るんだ。
2人共対局中だから終わるの待ってようかと思って── 」
キノコン:A
「 エリ?
マオ様が待たれる必要は無いですエリ 」
キノコン:B
「 そうですエリ。
主人のマオ様が、眷属を待つ必要は無いですエリ 」
キノコン:C
「 マオ様より大事なんて有りませんエリ! 」
キノコン:A
「 マオ様、ガツンと行きますエリ! 」
キノコン:B
「 ボク達も一緒に行きますエリ~~ 」
キノコン:C
「 勇気を出しますエリ! 」
キノコン達はグイグイと強気でオレの背中を押してくれる。
気に掛けてくれるのは有り難いんだけど……なぁ?
キノコン:A
「 マオ様は、する必要のない遠慮をしてますエリ! 」
キノコン:B
「 そうですエリ~~。
マオ様は遠慮する立場では無いですエリ~~ 」
キノコン
「 さぁさ、行きましょうエリ 」
オレは3体のキノコンに囲まれた。
逃げれない様に囲まれちゃったのかな?
揉まれながら幻夢さんの[ 寝殿 ]に入る事になった。
獅聖幻夢
「 マオ殿?
どうされました? 」
厳蒔弓弦
「 マオも打ちに来たのか? 」
マオ:厳蒔磨絽
「 えと…………対局の邪魔しちゃって御免…… 」
獅聖幻夢
「 マオ殿、どうか謝らないでください 」
キノコン
「 マオ様、棋譜は記録をしていますエリ。
中断しても続けられますエリ 」
厳蒔弓弦
「 何か問題でも起きたのか? 」
マオ:厳蒔磨絽
「 えと……2人に相談したい事が有って……。
あ……別に急ぎの相談じゃないから、対局が終わってからでも── 」
獅聖幻夢
「 気遣いは不要ですよ、マオ殿 」
厳蒔弓弦
「 何を相談したいんだ? 」
獅聖幻夢
「 マオ殿、聞かせてください 」
マオ
「 うん…………有り難う。
幻夢さん,弓弦さん 」
そんな訳で、オレはシュンシュンと一緒に姫様と孳に会った事──、其処で何をしたのかを詳細に話した。
厳蒔弓弦
「 霄囹が居ないが、彼方に残ったのか? 」
マオ:厳蒔磨絽
「 シュンシュンは《 獅聖邸 》の前まで送ってくれたよ。
その後は材料を調達しに出掛けちゃったんだ 」
厳蒔弓弦
「 そうか──。
然し、今回の霄囹は随分と人間に対して親切だな 」
マオ:厳蒔磨絽
「 相手が帝の実子だからね。
でも話し方は何時も通り、シュンシュン節が炸裂してたけど── 」
獅聖幻夢
「 何はともあれ、あまり霄囹を信用しない方が良いですよ、マオ殿 」
マオ:厳蒔磨絽
「 え?
何で?? 」
獅聖幻夢
「 同業者には分かるのです。
ライバル意識で言っている訳では有りませんよ。
セロ殿から能力を封じられている霄囹等、幼児同然ですからね 」
厳蒔弓弦
「 赤子ではないのだな 」
獅聖幻夢
「 多少は認めていますから。
それに能力を封じられていない霄囹には、手を焼かされるくらいには強いのです。
マオ殿を裏切る事は無いと断言は出来ます。
然し、信用し過ぎると火傷する事は肝に命じていてくださいね 」
厳蒔弓弦
「 今回の件に私は役に立てそうにないな。
すまないな、マオ 」
獅聖幻夢
「 真犯人と共犯者を特定する事は私にも出来ません。
霄囹なら適任です。
人間の仕業ならば可愛い人災で済みますけど── 」
マオ:厳蒔磨絽
「 人間の仕業じゃない場合も有るの? 」
獅聖幻夢
「 可能性の話ですよ。
もどかしいですね……。
セロ殿が居てくれれば直ぐ真犯人と共犯者を拉致れると言うのに── 」
マオ:厳蒔磨絽
「 仮に貴族を拉致したら問題になるんじゃ…… 」
獅聖幻夢
「 帝の実子を呪詛で襲ったのですから、一族は皆、斬首刑となるでしょう。
見せしめの公開処刑ですね 」
マオ:厳蒔磨絽
「 そ…そうなんだ…… 」
獅聖幻夢
「 マオ殿が第2皇子様に護身術と剣術を教えるのは良い提案ですね。
貴族の剣術は帝に見せて楽しませる御遊戯ですから、実戦では大して役に立ちません 」
マオ:厳蒔磨絽
「 それ、シュンシュンも言ってた! 」
獅聖幻夢
「 マオ殿を第2皇子の囲碁,護身術,剣術の指南役として帝へ推薦しましょう。
獅聖家と厳蒔家から推薦しますから、他の者にも直ぐ周知されるでしょう 」
マオ:厳蒔磨絽
「 有り難う、幻夢さん! 」
獅聖幻夢
「 暫くの行き来は弓弦殿と私としてください。
回を重ねれば、マオ殿1人でも悠々と顔パスで入れる様になります 」
マオ:厳蒔磨絽
「 キノコンの笠を通って行き来するのは控えた方が良いのかな? 」
獅聖幻夢
「 周知される迄は控えた方が良いですね。
周知さえされてしまえば、第2皇子と会っていても疑われる事は有りませんよ 」
マオ:厳蒔磨絽
「 うん、有り難う。
姫様と孳に手紙を書いて知らせるよ 」
獅聖幻夢
「 そうしてください。
マオ殿の役に立てれて嬉しいです♪ 」
厳蒔弓弦
「 出来るなら私は遠慮したいのだが……。
怪異を相手にしている方が性に合っているからな 」
獅聖幻夢
「 確かに[ 内裏 ]は退屈な場所ですからね。
分かりました。
弓弦殿の事は本業で遠出をする事になったと伝えておきます 」
厳蒔弓弦
「 助かる。
そろそろ《 厳蒔屋敷 》へ戻らせてもらおう。
マオは残るのだろう 」
マオ:厳蒔磨絽
「 うん。
幻夢さんが《 厳蒔屋敷 》へ帰る時に一緒に帰るよ 」
獅聖幻夢
「 弓弦殿が帰ってしまうと寂しくなります。
マオ殿、弓弦殿の分まで私と囲碁を打ってくださいね 」
マオ:厳蒔磨絽
「 う…うん…… 」
厳蒔弓弦
「 幻夢は優しいからな。
確り鍛えてもらえるぞ、マオ。
上達して、セロを喜ばせてやると良い 」
マオ:厳蒔磨絽
「 う…うん…………頑張るよ…… 」
幻夢さんって、急に恐くなるし、セロ並みに追い詰めて来るから嫌なんだけど……。
それからも暫く、幻夢さん,弓弦さんと話をした後、オレは[ 西対 ]へ戻った。
──*──*──*── 西対
[ 西対 ]に戻ったら、オレは姫様と孳宛に手紙──文を書いた。
和國語は難しいし、送る相手が相手な事もあって──、オレに声を掛けてくれた優しいキノコン達に御願いして、誤字や脱字が無いかのチェックをしてもらった。
セロを崇拝していて絶対服従しているだけあって、キノコン達はスパルタだった。
中々合格点が貰えなくて、何度手紙──文の書き直しをさせられた事か。
キノコン達のNGは軽く心を抉って来るんだよなぁ~~。
内容に合格が貰えたと思ったら「 清書しましょうエリ 」って言われて、「 清書するの!? 」って聞き返しちゃったよ。
何とか日付が変わる前に手紙──文を書き終える事が出来て、ホッとした。
書き終えた文はキノコンが笠に入れて、ミニマムキーノへ送ってくれた。
明日の午前には、ミニマムキーノが姫様に手渡してくれるだろう。
長かった戦が漸く停戦してくれた様な気持ちだ……。
厳蒔弓弦
「 マオ、終わったようだな。
お疲れ様 」
マオ:厳蒔磨絽
「 弓弦さん!
筆を持ってた手がプルプルしてるよ…… 」
厳蒔弓弦
「 こればかりは何度も書いて慣れるしかないぞ 」
マオ:厳蒔磨絽
「 もう文は書きたくないよ…… 」
厳蒔弓弦
「 ははは。
キノコンに代筆を頼めば良い。
それくらいはしてくれる筈だ 」
マオ:厳蒔磨絽
「 うん…次からはキノコンに代筆を頼んでみるよ。
弓弦さんは何時《 厳蒔屋敷 》へ戻るの? 」
厳蒔弓弦
「 明日の朝食後だ 」
マオ:厳蒔磨絽
「 随分と急だね 」
厳蒔弓弦
「 何事も早目に避難するに限るからな 」
マオ:厳蒔磨絽
「 避難って── 」
弓弦さんは相当な無理をしていたみたいだ。
弓弦さんって、見た目と違ってジッとしてるタイプじゃないもんな。
怪異を追い掛けて退治してる方がイキイキしてるしぃ~~。
厳蒔弓弦
「 暫く《 妖魔の樹海 》で感覚を取り戻さなくてはな 」
マオ:厳蒔磨絽
「 妖魔の樹海??
《 妖魔の森 》じゃなくて? 」
厳蒔弓弦
「 《 妖魔の樹海 》は《 妖魔の森 》の奥に在る。
《 妖魔の樹海 》には《 妖魔の森 》に巣食う妖魔より強い妖魔が巣食っているんだ。
絶好の狩り場だな 」
マオ:厳蒔磨絽
「 そ…そうなんだ……。
弓弦さんは《 妖魔の森 》では物足りなくなっちゃったんだね…… 」
厳蒔弓弦
「 試したい事も幾つか有るからな 」
マオ:厳蒔磨絽
「 程々にね? 」
弓弦さん、嬉しそうだな~~。
《 妖魔の樹海 》に巣食ってる妖魔を狩り尽くしちゃったりして??
文を書くのに疲れたオレは、早々に就寝する事にした。
布団はキノコンが敷いてくれた。
弓弦さんは幻夢さんと囲碁を打つ為、[ 西対 ]を出て行った。
朝まで対局する気かな。
セロとは打ちたがらない弓弦さんだけど、幻夢さんとは打つんだよな。
《 裏野ハイツ 》に帰ったら、久し振りにセロと打とうかな。
秒殺されちゃうけどなぁ~~。




