↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
淡い恋は弾けて消えた  作者: maruko
オルデイック王国

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

40/55

38 断罪 ②

ヘレン視点

「どうして⋯どうして今更」

私が窮地に陥った時、新たな問題が私に降りかかる。

八つ当たりから、手当り次第にその辺のものを投げて発散しようと思ったけれど、全く意味をなさない。益々どうしていいか分からないだけだった。体力を使いすぎた私は呆然として、その場にへたり込んだ。



数日前産まれた私の子は、やはりユーリス様の子ではなかった。妊娠時期から考えても、彼ではないと思っていたから、それは想定内だったけど、まさかユーリス様が離婚を受け入れるとは思わなかった。私に似ていれば誤魔化す事も考えていたのに、誤魔化しようもないほどの色を持って、私の子は産まれてしまった。だけど、あんなにこの場所に拘っていたから、離婚すると言えばいつものように私の子を受け入れてくれると思ったのに⋯。私の意志とは違う離婚の方を受け入れるだなんて⋯。



彼は、私と婚約してからずっと優しくて紳士的で、私の言うことは1点以外は全て受け入れてくれた。彼が受け入れてくれなかった、たった1つの事、それが王都では暮らさないというものだった。

何故かここハスビス領の薬草園に拘っていて、どうしてそこまでして草など育てるのか、私には理解できなかった。しかもそれをお父様まで容認していて、何度説得しても聞き入れてくれなかった。

でも、私はこんな所で生活するなんて出来ない。

王都には何でもあるのに、どうして態々こんな田舎で暮らさないといけないの?

私達は結婚してからはずっと別居状態だった。閨だって私がせがんで漸くしてもらう有様で、それもとても屈辱だった。

しかもユーリス様は私には全く反応してくれなくて、毎回媚薬を使わないといけなくて、それも二重の屈辱だった。

数えるほどしか閨を共にしてないのだから、子供が出来たと医師の診察を受けた時、直ぐに拙い事になったと思ったけれど、何とかその場は誤魔化して、妊娠4ヶ月という事にした。

でも私の体は侍女が一番分かっている、侍女と護衛にはとりあえず口止めした。

そうして誤魔化す日々の中、お父様がいざという時の為に、賄賂まで渡していた宰相から、爵位の返上の事を言われるなんて!

何の為に長年渡していたのか意味ないじゃない!

興奮した私はそのまま産気付いてしまって、後は記憶が霞んでいる。


ユーリス様が離婚を受け入れただけでも、困っているのにお父様が逮捕されるだなんて!

どうしてこうも上手く行かないのよ!

お母様の手紙で、私はマリベルが生きて帰ってきた事がすぐに分かった。生きてるという情報だけなら、お父様は逮捕なんかされない。マリベル本人が自分を証明しない限り、証拠はなかったんだから。


どうしよう。

これからどうすればいいのか⋯。

目の前が真っ暗になる、何にも考えたくない!

その時、赤子の泣き声が隣の部屋から聞こえた。 

何で泣くのよ!

泣きたいのはこっちよ!

私はそちら側の壁に向けて、手元にあった宝石箱を投げた。






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。