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第四十一話:禁定魔法2

はい、祓戸です。いやー全然こっち書けない…最近は新しい方に付きっきりですわー

side柳葉夜兎


変なことを思い出したけど今は実験結果に向き合おう。

詠唱はちゃんと合ってるはずだし、ちゃんと魔力も流れた。

何が問題だったのだろうか?


「うーん…単純に練度が足りないのかな?」


「それはあり得ますね…ではたくさん数を揃えればいいのでしょうか?」


「…今更だけど夜空さんは止めないの?

 色んなものを自由に操るのって忌避感があるはずだけど…」


「ふふ、本当に今更ですね」


夜空さんは遠い場所を見るように話す。


「日本でも滅多に見ませんが似たような事はたくさんあるんですよ。

 人を、子供を自分の道具としか思っていないような大人が」


「……そっか」


てっきりラノベとか漫画の世界しか有り得ないと思ってたから少しびっくりだ。

大企業のご令嬢だし庶民の僕では分からない経験をしているのだろう。


「それより、どうしますか?もっと集めますか?」


「そうだね…もう一度考えてみていい?」


「はい、どうぞ」


ー「ノーチェ、失敗の原因って何だと思う?」


ー「ん?気づいておらんのか?」


ー「え?逆に何で僕が気づいていると思ったの?」


ー「本気で言っておったのか…夜兎サマ、魔法は魔力を込めると威力が上がるじゃろう?」


ー「うん。それくらい知ってるよ?」


ー「血魔法は血の量を増やす事で威力を上げれるんじゃ」


ー「あー!だから血刀は血を浴びるほど強くなるのか!」


ー「そういうことじゃ。よって失敗の原因も…」


ー「血の量ってわけね。ありがとう!」


いやーなるほどね。

確かにそうだわ。逆に何で今まで気付かなかったんだろうってレベルで納得だわ。

そういえば人間ってどれくらい血を出して大丈夫だっけな?

三割とか聞いたことがあったような、無かったような…

うーん…輸血パックみたいなのを常備した方がいいかな?


「何か思いつきましたか?」


「あ、ごめんごめん。多分だけど分かったよ。血の量が足りてなかったんだ」


「血の量、ですか?」


「そう。血魔法は使う血の量によって威力が上がるんだ。多分、禁定魔法もそれに準するのかなって」


「魔法は魔力を込めるほど威力が上がるようですしね。しかし血魔法は色々と特殊なんですね」


「そうだね。おかげで手探りだから困るよ」


実際はノーチェがいるからあんまり困ってないけど。


「じゃあもう一回試そうか。索敵して倒すから護衛よろしく」


「はい。任されました」


「રક્ત રાક્ષસ મજબૂત / આંખો」


ノーチェが使っていた意味不明の呪文を唱える。

夢の中でひたすら発音練習してようやく習得した…

意味とかはさっぱりわからないけどね!

視界が3Dの立体地図、いわゆる神様視点に変化する。

木々の位置、飛んでいる鳥の数、色々な情報が流れ込んでくる。

だが魔物の情報は一切ない。

もう少し範囲を広げてっ…一気に情報が増えて頭痛に襲われる。

だが…いたっ!

北東方向4キロ先に同じブラックウルフ。

ターゲットロックオン!なんちゃって。

でもこれだったら本当に狙撃みたいなことが出来そうだ。

……やってみるか。

イメージはあの死神少年探偵に出てくるあの狙撃手。

さっき気づいた血の量と威力の関係を利用して多くの血を注ぐ。

普通なら血を多く注ぐとそれ相応に大きくなるが今回はそれを無理矢理押さえ込む。

出来上がったのは複数の真紅の弾丸。それを銃に込めるように手の先にセットする。


緋の狙撃(レッドスナイプ)


神様視点で補足されたブラックウルフは音も無く襲来した狙撃弾によって四肢を撃ち抜かれた。


「よし、じゃあ回収しようか」


「え?もう終わったんですか?」


「うん。ちょっと遠いから走って行こうか」


「そんなに遠いのですか?」


「具体的に言うと4キロ先」


「4キロですか…あの柳葉くんってやっぱり藤原くんより強いですよね?」


いやいや。あのステータス三倍の限界突破スキルを持つ勇者様より強い?

それはないね。あと戦いたくないし。


「うーん…どうだろ?限界突破を使われなかったら勝てると思うけど…

 というか夜空さんも藤原くんといい勝負するでしょ?」


護身術を仕込まれていたのか分からないけど夜空さん、体の重心の運びとか上手いし。


「確かにそうですけど、絶対勝てるってレベルじゃないんですよ。

 あと私って魔法使えませんし」


「逆に僕は剣とか使えないなぁ…そう考えると結構バランスがいいかもね。

 勇者に迫る剣の使い手と魔法の使い手パーティー」


「あとは回復が使える人が欲しいところですね」


「まぁ、そこはポーションとかで補えるからね。っとここだ」


「あ、あのブラックウルフですね。すごい…綺麗に四肢だけを打ち抜いてる…」


「ふふ、気分は一流のスナイパーだね」


「魔法名も緋の狙撃(レッドスナイプ)でしたもんね」


うっ…あれ聞かれちゃったのか。恥ずかしいな…


「じゃ、じゃあもう一回実験だ」


「頑張ってくださいね」


ふー。落ち着いて、リラックス。僕は両手首を軽く切って血を流す。


我が(Il)血は(mio)堕ちし(sangue è )(cosa)。」


禁定なんて言葉がつくんだ。イメージはもっと汚く、禁忌らしく。


魂を(Quelli) 汚し、(che)生を (l'anima)冒涜 (e prof) する(anano) もの(la vita)。」


魂…うーん…イメージは胸の中心にある燃え盛る炎かな。

それを僕の血で染め上げていくイメージ。


存在(Dedica) する(tutto) 全ての(ciò che) 物を(esiste) 我に(per) 捧げよ(me)!」


染め上げた魂から徐々に、徐々に存在する全てを奪う。

気づいた頃にはもう遅い。堕ちた血は魂から身体中に広がった。


血操傀儡(けっそうくぐつ)!」


両手首から流れた血が一気にブラックウルフへと突撃する。

血が槍のように尖り、胸の中心を穿つ。そこは僕がイメージした魂の場所と寸分違わない。

前の実験の実に五倍の量の血がブラックウルフの体へ入る。

ブラックウルフは体中に広がる僕の血に嫌悪を示し、足を噛みちぎろうと口を開く。

しかし開いた口はブラックウルフの意志に反して閉じなかった。

ならば足掻こうと足に意識を集中するが、ピクリとも動かない。動くことも声を上げることも何もできない。

魂まで奪われた哀れなブラックウルフはもはや声すら上げることもできず

        


          存在全てを奪われた。



ブラックウルフは目が赤く染まり、僕の方を向いて座った。


「これって成功したんですか?」


夜空さんが首を傾げて尋ねる。

僕から見ても成功だと思うけど…試すか


「伏せ」


ブラックウルフは顎を地面にくっつけて伏せた。


「お手」


右前足を僕の手に乗せた。

しかも爪を立てないようにしてる!

ブラックウルフ程度のステータスだと傷つくことは滅多にないけどね。


「おかわり」


次は左前足。同様に爪を立てない。

さあ、次が最後だ。


「死んだふり!」


僕は手で銃を真似てバーンと撃った。

ブラックウルフはそれに合わせて仰向けに転がった。

ご丁寧に舌まで出してる!


「うん。これは成功だ!」


いやー、前々からペットが欲しかったんだよ!

犬とか猫とか鳥とか!

犬はゲットしたからあとは猫と鳥だな。

鳥は比較的簡単だけど猫はどうなんだろ?

猫の魔物なんてラノベでもあまり聞かないからなー。


「なるほど…柳葉くんは死んだふりまで入れる派なんですね…

 これからは私もそうしましょう」


「ん?何か言った?」


「い、いえ!成功してよかったですね!」


うーん…絶対何か言ってたんだけどなー。

いやまあ、ちゃんと聞いてない僕も悪いけど。

今までソロだったから思考に集中しちゃうんだよね。

直していかないとなー。


「ありがとう。それにしてもパーティーってすごいね。

 めっちゃ戦いやすかった」


「私は今までソロでやってきた柳葉くんに驚きですよ。

 あんまり怪我を負ったって話、聞きませんしね」


「それは僕のスキルのおかげかな。時間が経てば回復するんだ」


「便利なスキルですね。あの、柳葉くん…」


「どうしたの?」


夜空さんが俯いている。

もしかして傷を負った?


「これからも私とパーティーを組みませんか?」


驚きのあまり数秒だけ固まる。そしてようやく言葉が頭に入ってきた。パーティーか…確かに今日はとても戦いやすかった。今まで一人だけだと隙が大きすぎて使えなかった魔法も使えるようになる。

僕が今までパーティーを組まなかった理由。それは将軍から紹介されなかったのもほんの少しだけある。

むしろ他の問題がなかったらどこかのパーティーに頼み込んで所属させてもらうつもりだった。

じゃあ他の問題は?って話だけど、それはこの実験だ。禁定魔法、効果は人を含めて自由に操れる魔法。

どう考えても倫理観に欠ける。パーティーを組むとそういう所が自由に出来ないから組んでこなかった。

でも夜空さんは受け入れた…訳じゃないと思うけど黙認くらいはしてくれる。

それだったらパーティーを組んで強力な魔物を倒して素材を手に入れた方がいい。

それに手札は多い方がいい。


というわけで“僕“の意思はパーティーを組む。

あとは“ノーチェ“の意思だけだ。


ー「うん?ワタシは夜兎サマに従うぞ?」


ー「それは分かってるけど。そうじゃなくてノーチェは夜空さんを信用して

  交代する?って事」


ー「なるほどのぅ。ワタシが表に出るか、か…

  ちと試してみようかの」


じゃあ、交代するねと言いかけた所でノーチェが強引に交代した。

あれ?強引にすると僕の負担がすごいとか言ってなかったっけ?

まあいいけどさ。回復するし。


ノーチェが表に出た事で瞳が緑色になる。

ってあれ?髪が腰あたりまで伸びてる。なんでだろう?前回はこんな事無かったのに。


「っ!あなたは!」


夜空さんが数歩分後ろへ飛び退く。

あー。そういえば夜空さん、というかクラスメイトのみんながノーチェに最後にあったのが

あの模擬戦だもんな。それは警戒されるわ。


「そう警戒するでない。何も危害は加えぬよ」


さあ、夜空さん。ノーチェを見事説得してくれよ?

いかがでしたでしょうか?血操傀儡…あれはペット量産のためのスキルです。異論は認めますw

まあ、この魔法が便利でこの後も重用します。

面白いと思った方は、『ブックマーク』や下記のポイント評価を押していただけたら幸いです。面白くなかったら容赦なく星1にでもしてください( ; ; )

またアドバイスも是非。

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