第十九話:勇者潜入作戦〜登録〜
はい、祓戸です。せっかくの休みだから投稿します。
今回はついにスパイが動きます。
sideセリア
私はセリア。普段はレイの天山脈という場所で生態系の調整をしている。
そんな私だが上司の竜田姫様からの命令で人族領にいる。なんでも竜田姫の更に上司のカガリ様から命令があり、勇者パーティーに潜入するため冒険者の実績を作らなければいけません。上の方も忙しいのはわかりますが、最上竜である私を動かすほどなのでしょうか?
そんなことを考えていると人族領最大都市である王都ジテアにつきました。
私は早速冒険者ギルドに向かいます。さっさと実績を作っておいた方がいいですしね。
しかしさっきから周りから視線を感じます。なぜでしょうか?
人族の擬態は完璧だと思うのですが…
Sideジテアの住人AとB
「お、おい!」
「ん?どうしたんだ?」
「どうしたんだじゃねえよ!あいつ見てみろ!」
「あいつ?おお!すっげー美人じゃねえか!」
「だろ?いいなあ…あんな彼女が欲しいぜ」
「はは!無理だって、お前にはよ」
「う、うるせえ!やんのか!」
「悪い悪い。けど俺も欲しいよあんな彼女」
「だよなあ…」
sideセリア
うーん…まだ視線を感じる。あまり注目を集めるのは嫌いなのですが、実績を作らなければいけません。
ここは我慢しましょう。しかし冒険者ギルドはまだでしょうか?門番の人から聞いた限りではこの辺りなのですが…
〜数分後〜
あ、ありました…門番の人から聞いた場所がただの酒場だとは思いませんでした…では登録しましょうか。
私は扉を開ける。するとギルド内の視線が一気に私に集まりました。
もう視線を集めるのは慣れましたね…
極力無視しながら受付まで向かいます。男性の受付の人が鼻息を荒くしていたので隣の女性の方に向かいます。
「ようこそ冒険者ギルドへ!ご依頼ですか?」
「いえ、今日は登録に来ました」
私がそう発言するとギルド内がざわつきました。どうしたのでしょうか?
「と、登録ですか?失礼ですがとても戦えるようには見えないのですが…
武器も持っていないみたいですし…」
「ああ、私の武器はこれですよ」
私はそう言いながら杖をだす。
「魔法使いでしたか!しかしなぜ冒険者などに?魔法使いでしたら国に士官できますが」
「私は自由が好きなんです。田舎にいた時から世界中を飛び回ることが夢だったんです」
予想通りの質問が来たのであらかじめ用意していた答えを言う。
「なるほど。わかりました!では名前と特技を記入してください!」
私は差し出された紙に記入していく。名前は偽名のイレーナ。特技は…
正直魔法も接近もできるのでわからない。しかし魔法をメインにと命令があるので魔法全般と書く。
「できました。これでいいですか?」
「はい!では確認しますね。名前はイレーナさん。特技は…魔法全般?
すみません魔法全般ってどういうことですか?」
「そのままです。一通りの魔法は全て使えます」
「えーと…それは何の属性ですか?」
「全てです」
「はい?今なんと?」
「全てです」
「イレーナさん…嘘はいけませんよ?」
「いえ、全て使えます」
「イレーナさん……ギルドの虚偽は犯罪ですよ?」
「ですから!全て使えると言っているのです!」
「はあ…では試験をするのでそこで見せてください」
「試験…ですか?」
「はい、登録試験です。これで合格、不合格を決めるのです」
「なるほど、わかりました。受けます」
「イレーナさん。今のうちですよ?今ならまだ間に合います」
「大丈夫です。ここでやるんですか?」
「い、いえ!違います!こっちです!」
私は溜め息を吐きながら受付の人について行く。
いくら全属性が使えるのが珍しいからと言ってもあんなに疑うのでしょうか?ずっと昔に魔族領に行った時は驚きはされましたが、こんなに疑われはしませんでした。これが人族と魔族の違いなのでしょうか?
「ここです」
案内されたのはギルドの隣の施設でした。周りを見ると多くの人がいます。そしてまた視線を集めます。
一体何なんでしょうか?擬態は完璧…ですよね?
「ではイレーナさん。向こうにある的に向かって魔法を撃ってください」
見ると少し離れた場所にいくつもの的がありました。数は…30ほどですね
「わかりました。ちなみに時間制限などはありますか?」
「いえ、特にはありませんね。昇格試験の時はありますが」
「わかりました」
時間制限がないのは嬉しいことです。実績を作るためにしっかり見せつけながら魔法を使いましょう。
「では、始め!」
私は合図と共に六つの魔法を使います。それぞれ火球、水球、風球、土球、光球、闇球です
そしてそれぞれの的に当てます。
ちらりと受付の人を見ると口をぽかんと開けて驚いている。まだ初級も初級の魔法しか見せてないので次の魔法を見せます。と言ってもそれぞれ球が矢になっただけですが。次には槍その次は壁。その次は…
っと周りの反応がないので少し止めて周りを見てみる。すると受付の人も見学に来ていた人たちも全員びっくりするくらい口を開けて驚いていた。よくそこまで口が開きますね…
このまま反応がないのも困るので声をかける。
「あの…大丈夫ですか?特に顎…」
「………ハッ!私は一体何を見ていたの?本当に全属性使えるなんて…しかも無詠唱…」
「あの…?」
私が声をかけるとギギギと音が鳴りそうな動きでこちらを向きます。そして
「すみませんでしたー!!」
受付の人の渾身の謝罪が響いた。
「本当にすみませんでした!あんなにしつこく疑ってしまって…」
「気にしないでください。それより試験は合格ですか?」
「あ、はい!もちろん合格です!それとランクなんですが…」
「ランクですか?最低のEではないのですか?」
「はい。試験で見せていただいた全属性の魔法はそれぞれ十分な威力を持っており、
更に無詠唱だったので特例としてランクSになります!」
ザワッ
一気にギルド内が騒がしくなる。
ランクS。一般的に知られている最高のランクです。本当はSSが一番上ですが。
早速実績を作れました。ランクSというのは下手な貴族より重宝されます。
予定では短時間でランクを一気に上げていくつもりでしたが手間が省けました。
「ら、ランクSですか?流石に飛ばしすぎでは?」
が一応否定する姿を見せておきます。
なぜならここでそのまま承諾するとランクAに落とされてしまうからです。
「……はい!これで本当にランクSに認められます!」
全く…いちいちこんな問答をしないといけないのはしんどいですね…
まあソロで活動するつもりですし、これからはこんな面倒なことはないでしょうが。
「ありがとうございます。失礼ですが、あなたの名前は?」
「ああ、まだ言ってませんでしたね。私はラナです!これからよろしくおねがします!」
「はい、よろしくお願いします。それでラナさん。
魔物の素材を買い取っていただけませんか?こっちに来る途中で倒したんです」
「はい、大丈夫ですよ。こちらのカウンターに出してください」
「わかりました」
私は空間魔法のボックスから素材をだす。
「く、空間魔法まで…ってこれは!」
私が取り出したのは天山脈の麓付近に生息する暴れ猿の群れの死体。
お金がないので狩ってきました。
「い、イリーナさん!Aランク以下の人は天山脈に勝手に入ってはダメなんですよ!!」
「そうだったのですか?すみません。私の故郷がその近くだったので…」
「天山脈の近くが故郷って…だからあんなに強いのかな?」
「それで買い取ってもらえませんか?」
「あ、大丈夫です。査定をするので少し待っていてくださいね」
ラナさんはそう言って奥に引っ込んでいく。私は近くにあるベンチに座って待つ。
さっきの素材のせいか、向けてくる視線の数が増えた。いいい加減鬱陶しいですね。
外套でも買いましょうか?そんなことを考えながら数分。ラナさんから声がかかった。
「査定が終わりました。えーと、合計で金貨800枚です」
またもやギルドが騒がしくなる。
「それでは金貨10枚だけ手元に持っておきます。残りはギルドで預かっててください」
「わかりました。これが証明書です。なくさないでくださいね?」
「大丈夫ですよ。では私はこれで失礼します」
私は宿屋に向かう。
とりあえずランクSという目標は達成できました。
あと何をしたら勇者パーティーに入れるでしょうか?
ああでも先につけてきてる人の排除が先ですかね?
いかがでしたでしょうか?セリアのこと忘れている方もいたのではないでしょうか?
祓戸はすっかり忘れてましたw
元々管理者のこと書こうと思ってたんですけど、そういやセリア書いてないなと思い急遽変更しました。
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