Σ(゜д゜lll) 部屋の中にいた人影は
ホテルの部屋で、アヤトは目を覚ました。
考えごとをしている内に、いつの間にか眠っていたらしい。
テーブルの上には未だ、『おパンツお茶わん』が三つ並んでいる。
結局、割ることも捨てることも、できなかった。
アヤトは立ち上がりながら、長いため息をつく。
外は明るくなっているみたいだが、カーテンを開けるのは、あとにしようと思った。
お茶わんを隠してからの方が、いい気がする。たとえば、ベッドの下にでも・・・・・・。
ただし、隠すとしても、最低限の梱包は必要だろう。
この三つのお茶わん、むき出しの状態でベッドの下、というのは危険すぎる。
すぐにでも梱包を始めるべきなのだろうけれど、起きてすぐとあって、頭の動きがどうも鈍い。作業をする気力が、わいてこなかった。
とりあえず、朝のニュースでも見ようかな、とテレビをつける。海王丸邸の件、あれから何か進展があったのだろうか。
テレビ画面に、夜の『奥館』が現れる。裏口のある方が映っていて、『役者連館』側から撮ったものらしい。
アヤトがテレビを眺めていると、『奥館』の一部が徐々に拡大されていく。《関所回廊》がある位置よりも上の階を、カメラは捉えていた。
一つの部屋のみを視界に収めたところで、カメラによる拡大が止まる。
あれは代表支配人室だと、アヤトは思った。たしか、あの辺りだったはず。
部屋には明かりがついていて、人影のようなものも見えている。
そこで突然、代表支配人室の内側から、大きな爆発が起こった。
完全に不意を突かれて、アヤトは固まってしまう。
今の爆発で、部屋の窓だけでなく、周囲の壁も吹き飛んでいた。代表支配人室があった場所には、大きな穴があいている。ものすごい勢いで、黒い煙が上がっていた。
衝撃の映像を目の当たりにして、アヤトは思考のほとんどが停止していた。
爆発の直前、部屋の中にいた人影。それが両目の底に貼りついていた。
(あれって、まさか・・・・・・)
最悪の想像が、頭に忍び寄ってくる。
このタイミングで、誰かが部屋のドアをノックしてくる。かなり速い叩き方だ。
アヤトはテレビをそのままにして、ふらふらと入り口に近づく。
ドアを開けてみると、ノックしていたのは、お世話係の女の子だった。




