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Σ(゜д゜lll)  暗号研究集団《アンゴール会》

 代表支配人室で待つこと十分少々、海箱ユユの前には、ピザの箱が届いていた。


 持ってみるとわかるのだが、重さからして、箱の中にピザは入っていない。


 入っているのは、モノレールの支柱で見つかったという、水色の封筒だろう。それが黒幕によるものなら、封筒の中身はおそらく・・・・・・。


 海箱ユユはまだ箱を開けずに、険しい顔で腕組みをしていた。


 頭に浮かんできたのは、『海箱座』に以前、送られてきた怪文章だ。


 あれは暗号化されていた。


 で、解読した内容が、


 ――『この怪文章が届いて数日中に、この街に異世界転生者が現れる』


 さらには、


 ――『あの日の続きを行う』


 今回も暗号化されているようなら、前回と同様、その道のプロに解読してもらわなければならない。


 机の上の置き時計を、海箱ユユは一瞥いちべつする。


 この時間でも、『彼ら』は起きているだろうか。『役者連館やくしゃれんかん』の暗号研究集団《アンゴール会》。


 もとは、大道具係や衣装係が趣味で始めた「ミステリー同好会」だ。それが年月の経過とともに変化していき、現在では「暗号研究の専門集団」になっている。


 彼らの実力は信頼できる。前回の暗号も解読してくれた。


 そして、彼らとは別に、この街にはもう一人、暗号解読の達人がいる。


 アノン監督だ。


 二年前に『海箱座』の舞台監督になった彼女だが、それ以前の肩書きは「天才数学者」。


 飛び級で海外の一流大学に入っただけでなく、世界に衝撃を与える論文をいくつも書いている。特に「暗号」の分野に強く、彼女の論文の二割が、そっち方面だ。


 アノン監督と《アンゴール会》。現在の海箱シティにおける、暗号解読の二大巨頭。


 前回は両者に依頼した。


 ただし、どちらにも、「他に解読者がいる」ことは教えなかった。


 別々に挑戦させて、その上で解読内容が一致すれば、その信憑しんぴょう性は高くなる。


 なお、この二大巨頭による対決、前回はアノン監督の方が、解読するのが早かった。


 ただし、今の時間だと、彼女は眠っているだろう。スタートラインに差はついてしまうが、先に《アンゴール会》に・・・・・・。


 そこで海箱ユユは、少し冷静になる。つい頭だけで先走りしてしまった。


 まだ、このピザの箱すら、自分は開けていないのだ。


 中の封筒も目にしていない。


 その封筒が黒幕のもの。そう決まったわけでもない。


 また、封筒の中身が、暗号ではない可能性もある。


(まずは、確認しておきましょうかね)


 海箱ユユは小さく深呼吸をしてから、ピザの箱を慎重に開けていく。


 中に入っていたのは――


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