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タクシー運転手の夜話  作者: 華岡光
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84/155

case7

 「見るなぁぁああー!!運転手さん!!早く逃げてよぅぅ!!」


客はそう言うものの、私の足がまったく動かないんですよね。私は慌てて顔を戻すとそのままハンドルを握りしめながら、必死で足に力を入れてみたんです。ミラーで確認したらあの帽子の縄の男が消えてたんです。


 「あれ!?あの人がいない・・」


その言葉に若者2人も反応して後ろを見だしたんです。


 「いない・・運転手さんあの幽霊いなくなったよ・・」


そう言いながら2人の若者が再び前のほうへと顔を戻した瞬間に大声で叫んだんです。


 「うわぁぁああー!!!!」


2人が車の前の方を指差しながら大声で叫ぶものだから私も顔を戻して前を見たんです。


 「あ・・」


声にならないほど怖かった・・


正面に、しかもすぐ目の前車のフロントガラスに両手をつけて帽子を被っていて首に腐りかけた縄をぶら下げたその男が凄まじい形相で顔をピタッとつけて私達を睨んでいたんです。

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