電話にて、藤隊員の証言4
今大丈夫か?
……結論から言うと、レイキャビクには月白先輩も居ないし、父親も見つからなかった。
だが当時のことを覚えている人が居てな。
娘が通っていたという学校を教えてくれたんだ。
……月白先輩が十六才までを過ごしたという学校に行ってきた。
写真も見せて貰ったんだ。
だが…………。
……どうにも写真の先輩と俺の知っている先輩が繋がらない。
まるで、別人のように見えるんだ。
病弱で学校も休みがちだったらしく、そんなに写真も残っていなかったんだが……。
……もちろんそうだろう。
女性は、化粧でかなり変わると言うし、俺が知ってる先輩は十九才からで……。
……分からない。
でも、その二年間で何かがあった。
先輩はその義務教育が終わったあと、恐らく母親を訪ねて日本に来たんだろう。
そこで……。
……ホワイト教授を母親と認識していたのだろうか。
だが、知らなかったらわざわざ同じ大学に来るか?
知ってて、知らないフリをしていた?
お互い、周りにも隠して?
……わからない。
父親も母親も行方不明。
自分自身すら行方不明。
こんなことになるなんて……。
……こんなことになるなら、早く伝えれば良かった。
時期とかなんとか言ってないで。
何故言えなかったんだ。
あなたのことを考えている人間がここいる、と。
……なんであんたにはこんな話をしてしまうんだろうな。
俺のこと、いつまでたっても信用しない馬鹿野郎なのに。
……いいんだ。
俺だって誰にも話すつもりなかった。
でもあんたと話してると、何故だか、先輩が戻ってくるような気がして……。
なんでだろう。
あんたがどことなく、先輩に似ているからかもしれないな。
……わからん。
でも先輩はきっと見つかる。
言っておくが俺は結構しつこいんだ。
もしあんたが見つけられなくても、俺が見つかるまで探すよ。
……それで、そっちは何か収穫があったか?
……ナラク?
地獄って意味の奈落か?
……奈良?
いや、心当たりはない。
……ん?
先輩と榛がそこにいるかもしれないだと?!
何故!?
……とにかく、一緒にいるかどうかはわからないが、何か知ってて隠してるようだってことだな?
あのクソヲタ野郎は病院にはいなかったんだよな?
……あの野郎……。
少年愛ガチ勢だとか言っていたから油断していた。
絶対に見つけ出して二度とフザケた真似が出来ないように制裁してやる。




