路上にて、山吹隊員の証言3
……おはようございます、探偵さん。
お互い、今日も頑張りましょうね……。
……ああ、ユニコーン。
買いましたよ。
何かをお世話したいという気持ちが限界突破してたのでとても癒やされました。
寮はペット禁止ですし。
……昔は獣医の道も考えましたけど、あそこってほら、動物が好きだからって考えだけじゃ通用しない世界じゃないですか。
色々考えて向いてないって諦めました。
……医療系の隊員って教官が言ってたことですか?
私、医大出てるんです。
言ってませんでしたっけ。
……意外でしたか?
私、本当は医者を目指してたんです。
でも研修に入る前に、ここに入社しました。
……何でって。
何か今日はグイグイきますね。
そっちこそ何でなんですか。
……そ、そうですか。
い、いえ。
わ、私も別にイヤって訳では……。
……兄が、目指してたんです。
憧れのファイブレンジャーになることを。
でも、兄はなれませんでした。
七才の時に亡くなったんです。
もう二十年も前のことです。
……車に轢かれて、搬送先の病院で亡くなりました。
偶然にもそこに居合わせて運んでくれたのが、ファイブレンジャーだったそうです。
……轢いた人も亡くなったと聞いてます。
かなりのお爺さんだったそうです。
私は小さかったし、兄が居なくなったことがショックだったのか、あんまり詳しいことは覚えてないんですけど……。
……大学でスカウトされたんです。
気付いてると思いますけど、ここって色の名前付いた人が多いでしょう?
全員じゃないですけど。
わざわざ集めてるみたいですよ。
兄も生きていたら、きっとここに来ただろうって思うと断れなくて。
……何ででしょうね。
男の人ってコレクター気質な人が多いじゃないですか。
だから、所長の美意識、みたいなやつですかね。
……え?
奈良区、ですか?
私、地理苦手でよくわからないんですけど。
奈良県にあるんですか?
……すみません。
聞き覚えがないです。
ていうか、探偵さん、大丈夫ですか?
何だか今日は特に冴えない顔、っていうか普通に具合が悪そうです。
ちゃんと寝てますか?
……ならいいんですけど。
身体、大事にしてくださいね?
あれ、なんか電話が鳴ってますよ。
じゃあ私は先に行きますね。




