ひとりぼっち
あれから、一年がたった。エルゥも、中学校の入学式を終え、中学生となった。周りの人は皆すぐに仲のいい友人を作っていた。先輩とも打ち解けていた。しかし、いくら時が流れようとも、エルゥはに友達はいなかった。小学校とはほとんど何も変わらなかった。
「お前さ、あのヒーロー(笑)死んじゃったんだってね。先輩から聞いたけど。」
「エルゥの子守りが嫌になって自殺しちゃったんじゃないの?」
「うける~。」
先生がいない休み時間はずっとこれだ。クラスの人は、今度は見て見ぬふりではなく、思いっきり見ている。
・・・・・・・・笑いながら。
前言撤回、更にひどい気がする。
学校の廊下を歩くたびに、エルゥの陰口が聞こえていた。中には、ゴミを投げつける奴もいたけど。そういえば、小学校では3人か4人くらい気にかけてくれる人がいたっけか。
エルゥはふと立ち止まって周りを見回して見る。自分を見てクスクスと笑う人、集団になって、悪口を言う人。次のゴミを投げる準備をしてる人。頭にコツっと牛乳パックが当たり、エルゥは気づく。
・・・・・・・・・・・・・・・あ、ひとりぼっち。
家でも、同じだ。せっかく小学校を卒業して中学校に入ったのに誰一人、エルゥには気に留めない。
もう嫌だ。
ある日、弟がエルゥにこんなことを食事の時間に言ってきた。
「エルゥさ、お友達出来たんだって?学校の友達から聞いたよ。」
お友達とはきっと、果林のことだろう。あいつら、余計なことをつらつらと流しやがって。
母はエルゥを意外だという目で見つめていた。しかし、その目には別の感情が混じっていたような気がしたが、気にしないことにした。
「エルゥのせいで死んじゃったらしいけど。」
「エルゥはろくでなしだからな。仕方ない。」
別に、これは何とも思わなかった。だって事実じゃないか。
母の目は別の感情が出てきたような気がしたが、これも気にしない。
「でもさ、エルゥの友達だろ?そいつもろくでなしなんだろうどうせ。」
エルゥは胸に何かがチクリと刺さったのを感じた。
「それもそうだな。」
腹のそこから怒りがこみあげてくる。
「父ちゃんもそう思うだろう?きっとう〇こより汚い奴だったんだろう?親の顔が見たいぜ。」
「もう何も言うな!!果林のこと何も知らないくせに!!」
怒りが爆発し、とうとうエルゥは怒鳴ってしまった。
「あれあれぇ?そんなに怒っちゃうの?ガキだなぁエルゥは。」
「うるさい!!チンパンジーの失敗作!!」
弟はピクリと眉間を動かした。
「おい、てめぇ、それは聞き捨てなんねえなぁ。」
「先に侮辱をしてきたのはそっちだ!!」
エルゥはガタンと椅子から立ち上がる。
「あぁ!?汚ねぇ生ごみ以下のクズ野郎のくせに調子こいてんじゃねぇよ!」
弟はガタンと椅子から立ち上がる。
そこから言い合いがやいのやいのと続く。
母はおろおろとしていた。
「エルゥ、もうやめろ。うるせえんだよお前は。」
父は止めに入るが、エルゥにのみに向けられた説教だった。
「うるさい!私は果林の侮辱は許さない!謝れ!!」
「エルゥ!!いい加減に・・・」
「父ちゃん、俺、謝るよ。」
弟は静かに言う。
「でも、お前は何も悪く・・・・」
「これは俺が謝らないと止まらないだろ?」
「ううぅ、立派になったなぁ。父さんは嬉しいぞ・・・。それに比べて、エルゥは・・・・。」
なんか、むかついた。でも、謝るのなら、もういい。そう思ったのだが。
弟は口をすぼめ、白目を向いてこう言った。
「ゴメンネゴメンネー(笑)」
「はぁぁぁぁ!!?おい、認めないぞそれは!!」
弟は顔をもとに戻し、いつもの見下すような目をする。
「え~?謝ったじゃん。何が気に入らないの?」
「あんなの、謝ったことにになるか!」
エルゥは負けじと反論を続けようとしたが、それは父親によって打ち砕かれた。
「エルゥ、もう謝っただろう。いい加減に意地を張るのはやめたらどうだ?」
・・・・・は?
なぜ、なぜあれを謝罪と認めた?第三者とはいえ、あんなふざけた謝り方を謝罪と受け取るのはおかしすぎた。エルゥは黙って家の外へ出ていった。
「エルゥ!」
ドアの向こうから母の声と母を制止する父の声が聞こえたが、ドアの閉まる音を鳴らし、エルゥはそのまま歩き出した。
さて皆さん。お気づきの人はたくさんいるでしょうけど今、恵瑠の過去の話に入っています。
はい、クッソ長くてすいません。
恵瑠の過去話は次か、次の次かあたりで終わると思います。
長すぎてすいません。過去話はほとんどはだいたいこのくらい長くなると思います。
では、引き続き、よろしくお願いします。




