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第87話

問うて曰く、私は試合に敗北した。故に我が身の一切はそなたに委ねられる。敗者を嬲るも犯すも壊すも、それこそ自由である。それだけの覚悟をもって挑み、そして試合に負けた。その結果には腑に落ちている。しかしそなたは自分と婚姻を結び、それどころかこれまで通りでよいといい、我らと敵対する赤の女王と矛を交えるとまで宣った。その意図を詳らかに、かつ嘘偽りなく述べよ、というのだ。


男の子は投げ掛けられた問いを順番に解く。まずひとつに、自分がこの黒と赤のふたつの国家間を行き来したことで、本当に斃さなくてはいけない存在は間違いなく赤の女王であると確信したからという。


次いで、自分には国ひとつを欲しがるほど法外な欲はなく、加えて自らは政など務まる身ではないからである。そも、ただ国が欲しいならば、第二の武芸の試合で些細な不運という言い訳で貴女を殺している、とも述べた。


最後に、貴女と契りを交わすのは、他でもない貴女のためであるという。王子にとって一番合点が行かぬ疑問に不可解な答えが返ってきたことに、なぜだ問い直せばこう答えた。


曰く、そなたが立てた誓いに依れば、身内以外に沐浴中を見られることと、未婚の者に性別を知られてはいけないという。自分と婚姻を結べば、これら二つを守る事に繋がる。幸い、この国では十四で成人と聞く。互いに成人であればなにも問題はなかろう、と。


確かに、と一考する王子。この国では何よりもを良しとする神への誓いを守る事を優先する。祖先への、国の礎となった我らが真祖を尊ぶことが至上とされるからである。


何より、黒の王子には目の前の男の子には暴君の気風は僅かばかりも感じられなかった。それどころか強き肉体と技を持ち、自分らが崇め奉る守護の竜を貶めた者を討ち取ることを誓った、その精神にいたく敬服してもいた。

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