表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
89/89

第88話

だがしかし、と思い止まる。それは赦されぬ事である。神の教えには、ヒトとはまぐわることを赦してはいない。どのみち私は誓いを破ることになる、と。


しかし、聖剣に宿りし竜はそんな王子を、まるで大海のごとく広い心で説く。竜が曰く、我が赦す。我は代行者なり。言うなれば、我の言葉は神の御言葉に等しい。故に再び告げよう。黒の王子よ。我は赦す。御心に従うがよい、と。


わずかな刻。瞬きほどの間に、黒の王子は三度熟考する。いや、考える必要もなかった。手にした短刀を収め、柔らかな表情を浮かべ王子はひと言、良いだろう、と言う。この場において私は誓う。そなたと契りを交わそう。此に応じるか。答えとして一言、男の子は首を縦に振り肯定を表す。


それを聞き届けた王子は頭の包帯を脱ぎ捨て黄金の髪を、美しき素顔を露にする。髪は窓から吹き込む穏やかな風でそよぎ、登る朝日に照らされ暖かな熱がこもった瞳で、ただひとりを映し告げる。騎士のような厳粛さ、ひとりの少女としての暖かみを以て。


──契りは交わされた。応えよう、私はそなたの刃。これより先、私という一振りの剣はそなたと共にあろう、と。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ