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第50話

埒が明かない。そう考える男の子は意を決して斬撃の合間を縫い、懐から小瓶を拾い上げ蓋を開ける。


そしてその中身を魔槍の穂先に注ぐ。魔槍は中身の液体を砂漠の砂のように一気に飲み干す。染み込んだコトを確認すると、魔獣の方へ全力で跳躍する。


魔獣は飛び込んできた獲物に対して驚いた様子もなく、むしろ受けて立つと言わんばかりに腹の底から息を吸い込み、音の暴風を放たんとする。


その隙を突き、大きく開かれた魔獣の口目掛けて、菫色の魔槍を全力で投擲を見舞う。鬣の反応が遅れ、刺は体内で拡散し内側から臓物すべてを蹂躙する。


魔獣は全身の穴という穴から蒼い血液を撒き散らし、重々しい音と共に崩れ落ちる。喉も潰れたようで、悲鳴も雑音が多分に混ざる。


しかし、魔獣は即死しないどころか、逆襲をせんと面持ちを上げ、血染めの眼光で男の子を睨む。


既にその顔から生気は感じられず、目に灯る光は消えかけ、ぶらぶらの脚はひしゃげながらも無理やり立たせている。

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