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第31話

男の子は旺盛な食欲の赴くまま料理を平らげると、燕尾服に美味だったと感想を述べるのと同じく、食事のため隅に追いやっていた書物を手に取り文字の読み方を教えて欲しいと嘆願する。


燕尾服はわずかに思案した後、仰せのままに、と述べる。そうして食器を片付け終えると、以降男の子は暇を見つけては教えを乞うこととなった。


魔女の居城を訪ねて十日を過ぎる頃、辛うじて書物の文字を読み解くことができかけていた。


しかし、事態に動きのないことに魔女は埒が明かぬと思い、男の子を玉座に召還させると、居城の麓に行き現状を見定めよ、と告げる。


同時に、特別、と置いた上で小間使いも連れて行けとも述べた。こやつがおればなにかと役に立つ、と。


魔女の言葉に従い、男の子は準備をすばやく整えると、燕尾服を連れ雪山を降る。山を降り終える頃にはすでに日が傾き、次第に暗がりに包まれてゆく程時間が経っていた。


麓に辿り着くと、そこは町々が広がっているものの、細々と明かりは灯っていても活気が溢れているとは言い難い有様であった。


町の探索を続けていると、不意に赤を基調とした甲冑を纏う兵らしき者達が押し寄せ、男の子と燕尾服に武器を突きつけるのだ。何用か、と燕尾服は訊ねるものの、兵士らは問答無用、と手にした槍を突き出す。


男の子は突き出された穂先を片手でへし折り、もう片方の腕で兵士を殴打する。拳の一撃は冑を木端微塵にし、余波で相手を昏倒に至らせる。


どよめく兵士達に待ったをかける間も無く、男の子は自らの両手足を駆使し一人、また一人となぎ倒してゆく。繰り出される一撃一撃の前に甲冑など意味を成さず、気がつけば気絶させられた兵士達が山のように積み上げられていた。

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