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第29話


ひとり残された男の子は、とりあえずといった気持ちで一番上に積まれた書物を手に取り最初の頁から順番に読破することとした。


だがしかし、その思惑は砂糖菓子のように脆くも崩れ去る。何が書いてあるか男の子にはわからないのだ。内容を読み解くよりも以前の問題、書物に写されている文字が帝国で習得したものとは違っていたためである。


彼は自身の生まれを呪ったことは一度も無かったが、この瞬間だけはがっくしと頭を垂らした。自らの学の無さを遠回しに指摘されているような気がし、思わず溜め息を漏らす。


他の書物に一縷の望みを託すも、どれも同じく彼の知らぬ言語で記述されており、目次らしき頁の説明がどういうモノかも見当つかぬという有り様であり、またしても項垂れた。


直後、燕尾服が食事を運ぶために部屋の扉が開かれる。お待たせいたしました、と柔らかな物腰で告げる彼は机に積まれた幾つかの書物を見つけると、いたく感心した様子で男の子の顔を見る。


勉強熱心でけっこう、と述べた上でまずわたくしの料理を口にしていただくとうれしい、とも告げる。


男の子のほうも、我慢出来ぬ程ではなくとも、いくらかの疲れを覚えていたため彼の提案に肯定の意思を示すのだった。

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