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第27話

燕尾服に導かれ、男の子は玉座にたどり着き、この白亜の城の主へと謁見する。


城主たる混血の魔女の姿を目にした男の子は、彼女を魔女というには似つかわしくないという印象を抱く。


城の外に降り積もる雪と同じ色の優美なドレスをその身に纏い、腰まで伸びた白銀の美しい髪にすらりとした無駄の無い体型と、人形ではないかと男の子が一瞬錯覚するほどの整った造形の顔立ちをしていた。


混血の魔女は自身を見つめる男の子に、遠路はるばる御苦労、と労いの言葉を送るのと同時に、彼が手にしている菫色の魔槍を指差す。


貴公はそれをどこで手に入れた、と魔女が訪ねると、男の子は正直に隻眼の導師から授かった、と答えた。


それを聞き、魔女は頭を抱えた。男の子にはその理由はてんでわからず首をかしげることしかできなかった。


魔女曰く、その菫色の神器は遠い昔私が鍛え上げたものであり、いつの間にやら例の隻眼の男に言いくるめられた挙げ句掠め取られたのだ、という。


あらためて咳払いをした後に、魔女は我が居城に足を運んだ理由を問いかける。男の子はこれにもまた正直にすべてを打ち明ける。


聞き届けた魔女は一考すると、ひとつの条件を男の子に課し、それを遂げたのであれば御身の頼みを引き受けようと述べる。


曰く、雪山の麓では赤と黒、ふたつの国が百年に渡り覇を競い無辜の血が流れ続けている。この愚かな争いを如何なる手段を持ってしても収めたまえ、と。


男の子はその条件を無理難題であると反論する。自分には時間などない。百年に渡る争いを一月で収められるものかと。


反論に対し魔女は呆れとも言える顔持ちで答えた。曰く、出来ぬ筈はなかろう。貴様の持つ菫色の神器があれば実に容易い、と。


男の子は携えていた得物の全貌を見渡す。さる名工が鍛え上げた業物であろうことは見てとれても、戦を収める事が容易いとまでされる神器とまでの力は無いのではないかと訝しむ。


とはいえ、他に帝都の人々を救う手段は無いことは理解していた男の子は、渋々ながらも魔女が示した条件を承諾するのだった。

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