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第26話


城内へと足を運んだ男の子を出迎えたのは、燕尾服を纏い、茶褐色の髪に、グリザイユ調の仮面で素顔を隠した長身の人物であった。


ようこそおいでました、と柔らかな口調で応対するその人物は、声や外見からでは男とも女ともいえる不思議な印象を男の子に与えた。


あなたは何者だ、という男の子の問いに対してその燕尾服は自身をただの小間使いと述べた上で、同時に主にとって唯一の話相手であると答えた。


ふと仮面の人物は白の斑点にまみれた男の子を見や否や、どこからともなく毛布を取りだし彼に手渡す。


曰く、ここまでご苦労様でございました。主に謁見する前にお身体を暖めなされ、と。


その言葉どおり、渡された毛布は人肌のように心地よい暖かみがあり、冷え込んだ肉体に熱を取り戻させるには充分であった。


燕尾服は男の子が綿雪を拭い終えるのを見届けると、この城の主の下への案内役を申せ遣って参ります、と述べ自分に付いてくるようそれとなく合図を送る。


むろん従わぬ道理もなく、男の子はありがたく案内を受ける。仰せの通りに、と呟く燕尾服が指を鳴らすと、途端に城じゅうの明りが灯り、玉座への道を照らし出すのであった。

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