優しい笑顔
高瀬さん、どこにいったのだろう…
待ってて
というからには戻って来てくれると思うけど…
ちょっとわたし強引すぎたかな…
そんなことを思いながら待つこと10分ほど
高瀬が缶コーヒーを2つ抱えて走ってきた
高瀬
「缶コーヒー買ってきました。
メロンパンのお返しです」
ゆう
「あ、ありがとうございます
いただきます」
(なるほど確かに飲み物なしでメロンパンはすこししんどいよね…)
沈黙の中
缶コーヒーを開け一口飲む
ひと騒動あった後だったからか…
思いがけず高瀬に会えたからなのか…
いつもいくコーヒーショップのコーヒーよりも
それは味わい深く感じた
最後の一口を食べ終わり
コーヒーも飲み干した
さあ帰ろうかというタイミングで
ゆうの口から思いもかけない一言が飛び出した
ゆう
「あの、高瀬さん
今度よかったらどこか食事でもどうですか?」
缶コーヒーを飲み干そうとしていた高瀬が
ゆっくりと振り向いた
ゆう
「あ、いや、その
いつもここでパン食べてますけど
たまにはちがうところもいいかと思って」
一呼吸おくように少し間があく…
ゆうが、言わなきゃよかったと後悔しかけた時…
高瀬が軽くうなづいた
高瀬
「そうですね
たまにはそれも良いですよね
来週の木曜日なら空いているのですが
水野さんはどうですか?」
(その日は仕事だが夜は空いている)
ゆう
「わたしも…大丈夫です
じゃあ
次の木曜日でお願いします」
……
ゆう、高瀬
「あの」
「あっ」
二人の声が重なる
一拍置いて
高瀬が先に口を開く
「連絡先を聞いてもいいでしょうか?」
ゆう
「ええ、もちろんです」
。
。
。
ゆうは玄関を開け、靴を脱ぐなりベッドに顔を突っ伏した
わたし何いきなり誘ってんの?
恥ずかしすぎる…
すごい間が空いて
しかも高瀬さんが少し目を伏せたようにも見えて…
断られるかと思った
なんであんなこと言ったのか
自分でもよくわからないけど
でも、あの時はそう言いたかった自分がいた
子どもに向けるあの優しい笑顔をまた見たくなったからかもしれない
体を起こし…
まもなく帳がおりる窓辺を見つめた
楽しみだけど
一方的な気がして、少し複雑な気持ちで
ゆうは次の木曜日を待った




