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「夕凪 」〜また、日曜日の朝に  作者: 乙花 
第1章
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7/34

雨の日曜日

そんな日々がどれくらい続いただろう

それは雨の日曜日のことだった


どうしよう

雨かあ

パン食べたいけど結構降ってるなあ


(いや、迷うところではないのだけど…?)


雨の日曜日はパン屋にはいかない

それがこれまでのゆうの当たり前だった


公園を通ってパン屋までは歩いて20分ほどだ

この雨だと傘を差しても確実に濡れてしまう


日曜日の朝

パン屋にいって

高瀬に会ったときには公園で一緒にパンを食べる


この何気ない行動が

自分の中でこんなにも楽しみなルーティンになっていたとは…


はあ…

ゆうは軽くため息をつき

冷蔵庫を開け、朝食になるものを探した



雨は昼前には上がった


家事を一通りすませ

普段撮り溜めていたドラマも見終わった


ベランダのガーデニングは

雨のおかげで潤い、緑がより鮮やかになった


それを尻目に、遅まきながら顔を出した太陽を

ゆうは恨めしげに思う


はぁ…

やっぱり行こうかな…


時計をチラリと見る

もうパンもあまり残ってないかもしれないけど…


ゆうは身支度をして

雨上がりのパン屋へと向かった




ゆう

「こんにちは〜」


パン屋

「あーゆうちゃんか

今朝の雨はすごかったね」


暇なのか…パン屋のおじさんはレジ前でテレビをみている


ゆう

「ねっ

やんでよかった

メロンパンは…あ、あるね!」


パン屋

「ああ

あの雨だからね

今朝はお客さんもあまり来なくて」


ゆう

「そっかあ

だよね…

じゃあ今日はメロンパン2つにしよっ」


レジを待つゆう

ふとある思いがよぎる


(お客さんあまり来てないってことは高瀬さんも来なかったのかもしれないな)


パン屋

「お会計340円になります。」


……。


「あの、ゆうちゃん?

お会計…」


ゆう

「あ、ごめんごめん ありがとうね

またきます!」



雨上がり…パン屋からの帰り道

公園を歩くゆう

その手には焼きたてメロンパンが二つ


やはりここのメロンパンは匂いがちがう

フルーティで口に入れた時にかおるバニラがふわふわした食感にぴったりだ


焼きたてのうちに食べたいなー

でも流石にベンチにはまだ雨の余韻が残っている


早く帰って家で食べよう

いつものゆうならそう思うところだ


でもこの日のゆうは

もう少し公園を歩きたかった


無意識のうちにおしゃれスウェットを探していた…



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