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「夕凪 」〜また、日曜日の朝に  作者: 乙花 
第1章
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5/34

…なぜ?

ゆう

「あー、びっくりした」


パン屋

「なんだ、知り合いなのか?」


「あ、うん

まあね…」


(知り合いといえば、知り合いか)


(メロンパンないからなあ…

クリームパンとこの新作のチーズパンにしようかな)


メロンパンが食べられないのは少し残念ではある

が、ここのパンはどれも美味しい


会計を済ませ

紙袋に包まれた

焼きたてパンの匂いににんまりしながら

ゆうも店を後にした


高瀬

「あの、水野さん…」


店を出たところで男の声がした


ゆう

!?


パンに気を取られていたゆうは突然名前を呼ばれたことに驚いた


ゆう

「あ、高瀬さん…びっくりしました」


高瀬

「いや、すみません

そんなに驚くとは思わず…」


ゆう

「いえ、大丈夫ですが、なにか?」


高瀬は先程買ったパンの袋に手を入れ、何やらガサゴソしている


(なんだろう)


高瀬

「これ、どうぞ…」


ゆう

「メロンパン!

いやいや、いいですよ

それは高瀬さんの分ですよね」


高瀬

「そうですが…」


ゆう

「残念ではあるけど、またくればいいですし

いただけないです」



高瀬

「2つ買ったので…


レジのところでどうぞと言えればよかったのですが、レジを打ち直してもらうのもどうかと

思うし…

水野さんもきっと断るだろうと思ったので」


ゆう

「たぶん断るというか

遠慮したと思いますし…

いや、このタイミングでも

せっかく高瀬さんが買ったものをいただくわけには…」


高瀬

「お店に入ってきた時の第一声が

メロンパンだったから…

お裾分けです」


ゆう

……


(うん、そうだったかもだけど)


高瀬はニコリともせず、真面目な面持ちだ


ゆう

「じゃあ

ありがたくいただいても…いいですか?」


高瀬

「はい、もちろんです

僕が言い出したことだから」


高瀬からパンを受け取る


高瀬

「では、これで…」


ゆう

「あ、あの

ありがとうございます!」


…は?

いや、何が起こった?


いつもの日曜日

いつものパン屋さん


そして…

いつものとはいえないメロンパン


そして……

ちょっとわかりづらい

おしゃれスウェットの高瀬さん…



ゆうの頭は軽くバグを起こしそうになっていた


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