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「夕凪 」〜また、日曜日の朝に  作者: 乙花 
第1章
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4/34

古参

結果はまあ、予想通りだった


会話は少なくても

大人の男の気遣いのおかげもあり

気まずいなぁ

もう帰りたいなぁ 

みたいな空気にはならなかったが…


互いに連絡先を聞くということもなく


おばあちゃんたちによるお見合い大作戦は終了した


日曜日はいつも

近くの公園のそばにあるパン屋さんで

大好きなメロンパンを買うのが

ゆうの日課だった


その日の朝も散歩がてらそのパン屋さんに向かった

特別おしゃれなパン屋というわけでもない

昔ながらの素朴な味と店構えが気に入っていた


ゆう

「おはようございます!」


パン屋

「あ、いらっしゃい」


ゆう

「おじさん、メロンパンある?」


パン屋

「あー、ごめんな

今日はもう…」


そう言いながらおじさんはトングで掴んだメロンパンを見せる


パン屋

「これが最後なんだ」


ゆう

(あーー 一歩遅かったかぁ…)


先日このメロンパンが雑誌で紹介されていたからなのか

ここのところ大人気だ


ゆう

「そっかあ、ありがと

じゃあ別のにするわ」


パン屋

「ごめんな笑」


ゆう

「いいのいいの」


と、その時

レジでメロンパンのお代を払おうとしている

背の高い男が振り向いた


ゆう

「あっ」


その瞬間

先日のとてつもなく気まずかったレストランの記憶が呼び覚まされた


……


ゆう

「えと、高瀬さん?でしたっけ?」


高瀬

「水野さん…? おはようございます」



ゆう

「おはようございます

ここで高瀬さんに会うとは思ってなくて…

ちょっとびっくりしました」


高瀬

「そうですね…僕も…びっくりです

ここはもう10年くらい通っていて…」


え!?そうだったんですね


(わたしより古参がいたなんて…)


ここのパン、おいしいですよね


パン屋

「お会計1080円になります」


高瀬

「あ、はい

ありがとうございます」


さっとポケットから携帯を出し

ピッ!

スマートに支払いを済ませ

では、また…と

高瀬は会釈をして店を後にした


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