ワンピース
ゆうの涙は溢れ続ける…
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純平
『これ、ゆうに似合うよ』
ゆう
『えー、なんか地味じゃない?』
純平
『いや、こういうシンプルで清楚な感じがいいんだ』
ゆう
『それ、お兄ちゃんの好みじゃん笑』
純平
『な、これにしろよ
俺が買ってやるから…』
あの夏、ボーナスが出たからと私を買い物に連れて行ってくれた
友達の間で噂になっていたかわいいカフェでパフェを食べ
お兄ちゃんがどうしてもっていうから
対して面白くなさそうなホラー映画を一緒にみた
「ぜんっぜんつらなかった」と文句を言う私に
買ってくれた…
深い青のワンピース
正直、そんなに気に入ってはいなかった
でも私の機嫌をとりたくて一生懸命な兄の笑顔が憎めなくて…
仕方なくそれにした
お兄ちゃんに
これを着てるとこ見せたかったけど…
それができないままになってしまった
だから毎年この日はワンピースを着ている
そして
お兄ちゃん、やっぱり似合わない気がする
そう鏡の前で愚痴ったりしてて…
こらっ!文句言うな!って言いそうだなって思いながら…ね
お兄ちゃんはそう言っていつも頭を「ポンっ」て叩いてたね
わたしは痛いって言ってたけどほんとは全然痛くなくて…
お兄ちゃんの『いや、悪い、ごめんな…』
って申し訳なさそうにする顔が好きだったんだ
お兄ちゃん…
高瀬さんはずっとお兄ちゃんのこと
お兄ちゃんと過ごした日のことを大切にしてくれてたんだよ
お兄ちゃん、よかったね
高瀬さんがずっと…一緒にいてくれて…
私、何にも気づかなかった
高瀬さんにあって3ヶ月にもなるのに…
何も…
でもお兄ちゃん
これ仕組んだのほんとはお兄ちゃんでしょ?
お兄ちゃん…
そうだよ、気づくの遅いよって…
また「ポンっ」て…頭、叩いてよ…
お兄ちゃん…会いたい…
会いたいよ…
お兄ちゃん…
心の声を漏らさないように…
小さな手で口を押さえて
ゆうは俯いた…
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高瀬はゆうの涙をそっと拭い
何も言わずに
ゆうの肩を抱き寄せた




