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「夕凪 」〜また、日曜日の朝に  作者: 乙花 
第3章
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欠けた月

ある暑い日の午後だった


夜にあるイベントの準備が難航し、僕とあいつはお茶を飲む暇もなく作業に追われた


あいつが企画したスウェットは

シンプルだが機能的で、丈夫な素材が売りだった

初めて、企画が形になることをあいつは心から喜んでいた

僕も、あいつの丹精込めて仕上げた企画を絶対に成功させたかった


なんとかイベントには間に合いそうだった


イベントの司会はあいつだった

僕は機材などの最終チェックを受け持った


イベントの時間が近づく

そういえば、少し前からあいつの姿を見ていない


トイレに行くと言っていたが…

まだ戻らないのか?

何やってんだ…間も無く始まるのに…


僕は気になりながらも

自分の作業でいっぱいいっぱいで

早く戻って来い…そう心の中で少しイラついてもいた


突然、バタバタと他の社員たちが通路を走り回るお互い聞こえてきた


「高瀬っっ!!はやく!!」

社員が手招きをしながら大声で呼ぶ


その声を今も僕は鮮明に覚えている


………それが


あいつと過ごした最後の1日となった


あの時…なんて何度も思っても

もうあいつとの時間は2度と戻ってはこない…

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