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第1章
帰り道、私たちは公園に寄った。
砂場や滑り台などの遊具で楽しそうに遊んだり、そこらじゅうを元気に走り回ったりしている子どもたちを眺めながら、私たちはベンチに腰を下ろした。
「柚紀ちゃん」
「はい、何でしょう?」
「サクちゃん、俺のこと、あれから何か話してた?」
「いえ、特に何も。どうかしたんですか?」
「あ、ううん、何でもない。ただ何となく、訊いただけやから」
「じゃあどうして、わざわざ私のこと引き止めたんですか?」
「別に何でもエエやろ、そんなん」
「良くないです」
「ほんなら質問な。柚紀ちゃんは俺のこと、どない思う?」
「え…どういう、意味ですか」
「どない思うか訊かれたら、そら、答えは二つに一つやろ。好きか、嫌いか」
好きか、嫌いか。
そんなの、好きに決まってる。
でも、もしここで、三上さんに自分の想いをぶつけてしまったら?
後のことは、目に見えている。
だからと言って、嫌いと答えれば、それは嘘になってしまう。
三上さんに、嘘はつきたくなかった。
だから私は、好きです、と答えた。
でもそれはあくまでも「人として」という意味で。
私の答えが予想に反していたのか、三上さんはそれからしばらく黙り込んでいた。




