第2章
それからしばらくすると、注文したパンケーキやらコーヒーやらが運ばれてきた。
パンケーキを頬張りながら、香月先輩は何度も自分の腕時計を見て、時間を気にしていた。
私は思わず、どうしたんですか、と訊ねてしまった。
「え?どうしたって、何が?」
「だって、何か…さっきからずっと、時計を見てるので」
「ああ、ばれちゃった?実は今日ね、同窓会しないかって話になってて」
「それって、高校の、ですか?」
「うん、そうそう」
「てことは、融も――」
「俺は行かへん」
「え、そうなの?せっかくの機会なのに?」
「だから、何やねん。それとも何や、行ってほしいんか?」
「いや、そういうことじゃなくて」
「ほんなら、別にエエやん。な、彩」
「うん。それに、せっかくなんだから、二人でゆっくりすれば?」
「…はい」
私はそう言って頷いた。
正直、嬉しかった。
同窓会があると聞いて、きっと融も行くんだろうな、と思っていたから。
それなのに、まさか、残ってくれるなんて。
パンケーキを食べ終えると、香月先輩は席を立った。
もしかしたら、私と一緒にいる融を見たくなかったのかもしれないな、と私は思った。
融と二人きりになって、私はなぜか急に緊張しだしていた。
そのせいで会話もあまり弾まず、正午になる頃には、もう既に家路についていた。
せっかく、二人きりになれたのに。
融にも、香月先輩に対しても、私は申し訳ない気持ちでいっぱいだった。
家に帰ると、留守電が一件、録音されていた。
誰からだろうと思いながら、私は再生ボタンを押す。




