第39話
プリメイシアは、本当に三日間、何もさせてもらえなかった。
食事も、体を拭くのも、すべてバスチールがやってくれた。
体くらい自分で拭けると言っても拒否された。
(赤ん坊じゃないんだぞ……ったく)
といってもどちらにせよ背中は届かなそうだったので、助かってはいた。
まだマルークには会えていなかった。
目の前で自分を庇ってくれた人間が、あんな目に遭ったのだ。
(気まずいのかもしれないな)
そう思って呼ぶことはためらった。
外ではずっと忙しなく人の声が聞こえていた。
「これはここで良いのか?」
「外周はどうする?」
「分かった、運んでおくよ」
それに伴い、子供たちの声も混じっていた。
「一緒に遊ぼー!」
「すごーい、耳かわいいー!」
「お散歩しよー!」
双子やマルークとは明らかに違う、三人ほどの子供の声。
明らかに新顔が増えている。
(いったい何が起きているんだ?)
プリメイシアがバスチールに尋ねると、いつも同じ答えを返してきた。
「村から助っ人が来てるだけー。考えず寝てなー」
それ以上は何を聞いても「寝てろ」の一点張りだった。
(俺の拠点なのになぁ……いや、俺たちの拠点か。傲慢になったものだ。いかんいかん)
体を休めることだけに集中しよう。
回復すればすぐにでも取り返せる。
自分にそう言い聞かせた。




