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大型犬の飼い主を救え 6
現場を後にした俺たちは、パトカーで警察署へ向かっていた。
運転席の田口は、煙がこもらないように窓を少しだけ開ける。
「どうせ、また吸うんだろ煙草」
「よくお分かりで」
俺は煙草に火をつけ、一口吸った。
しばらく沈黙が続いたあと、田口が口を開く。
「お前、確か…海外旅行に行ったとき、英語話せてたよな」
「はい」
「昔、海外に住んでたのか?」
「いえ」
俺は首を横に振る。
「日本生まれ、日本育ちです」
「じゃあ、英会話スクールか?」
「それも違います」
田口が不思議そうに俺を見る。
「じゃあ、なんで話せるんだ?」
俺は少しだけ考えてから答えた。
「父が特殊な民族の出身なんです」
「特殊な民族?」
「はい」
俺は窓の外へ目を向ける。
「変な言葉を話す民族でした…」
「……」
「それで自然と英語が話せるようになりました」
「なんでだよ」
田口が思わずツッコむ。
俺は煙をゆっくり吐き出した。
「僕にも理由が分かりません」
「絶対、何か隠してるだろ」
「隠してません」
「いや、隠してる」
「……」
田口は大きくため息をついた。
「お前と話してると、真面目なのかボケてるのか分からなくなる」
俺は小さく笑い、流れてい夕暮れの街並みを眺めるのだった。




