表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
12/18

大型犬の飼い主を救え 5

しばらくして、救急車が現場に到着した。

救急隊員が犬の飼い主の男性のもとへ駆け寄り、その場で応急処置を始める。

男性は腕に包帯を巻かれながらも、ほっとした表情を浮かべていた。


「そこのあんた!」


男性が俺に向かって手を挙げる。


「助かった。ありがとな」


俺は首を横に振った。


「お礼を言うなら、この方にどうぞ」


そう言って、隣に立つ田口の腕をつかみ、前へ出した。


「俺は何もやってない」

と田口が照れくさそうに頭をかく。


「そんなことありません」


俺は笑って続けた。


「田口さんがいなければ、犬語で説得しようなんて発想は浮かびませんでした」


「それ、褒めてるのか?」


田口は苦笑いを浮かべる。


「もちろんです」


俺は真顔で答えた。


「田口さんは身をもって、言葉は通じなくても、伝えようとする気持ちは大切だと教えてくれました」


「海外旅行の失敗談が、こんなところで役立つとはな……」


田口は肩をすくめる。

飼い主の男性は笑いながら俺たちを見た。


「あんたら、仲がいい相棒(あいぼう)みたいだな」


「いえ」


俺は即答する。


他人(たにん)です」


「おい!」


田口のツッコミに、現場にいた警察官たちから笑いが起こった。

その笑い声を聞きながら、俺は足元で尻尾を振るシベリアンハスキーの頭をもう一度、優しく撫でた。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ